SKE48を卒業し現在は女優・タレントとして活躍中の松井玲奈。他にも大好きなアイドル、漫画、音楽などに絡めた仕事も順調で「充実」した日々を過ごしているように見える彼女。だが、「悔しい」と思うことが尽きないのだとか。過酷な48グループを卒業した元・アイドルが見た女優の世界とは?吉田豪が直撃した!

蒼波純、あのちゃん。謎な子が大好きなんです

――さっきまでベルリン少女ハートを卒業する朝倉みずほって子の取材だったんですよ。

松井 おっ、ベルハー!解散でしたっけ?

――活動休止ですね。「このあと松井玲奈さんの取材です」って言ったら、「こっそりついてっていいですか?」って言ってました。

松井 フフフフ、そんなふうに言ってもらえてありがたいです……ベルハーちゃん。以前カメラマンさんに「ベルリン少女ハートっていうヤバいのがいる」って教えてもらって、ライブには行ったことないんですけど、でも見てましたね。だから活動休止って聞いて、いまはそういう時代なのかって思って。どんどんいろんなグループがそうなっていって。

――今日はそういう話もしたいなと思って。アイドル全般に詳しいというか、そっち方面への好奇心がすごいある人じやないですか。

松井 いや、そんなことないですよ。単純にかわいい子が好きっていうだけなんですけど。

――TIFでも遭遇したから驚きました。

松井 TIFは大好きですね。

――心置きなくがっつける場として。

松井 そうです(笑)。今年は行けなかったですけど。自分が出る側だったときも、なかなかほかのアイドルのライブ観に行けなかったし、見せてもらえる環境じゃなかったし。

――行っちゃいけないとかあったんですか?

松井 自分たちのファンの人もいるからダメでしょっていうのがあって、それがなんとなくなくなったとき初めて行けて、その次の年に自分たちも出られて。出るのも楽しいけれど、やっぱり観るほうがいいなって(笑)

――ハハハハ!そっちですか(笑)

松井 タイムテーブル的に、ここに出てると観れないじゃんみたいなのがあったり、裏にいるとありがたいことに、48のブランドはすごい大きいみたいで、挨拶をすごいしてくれるんですよ。「おはようございますっ!」て言ってくれるんですけど、こっちがファンだから(笑)。外から「頑張れ!」って応援しているのが一番楽しいって最近思います。

――あまり近寄るのもよくないですか。

松井 はい。オタクはオタクとしての距離感をちゃんと保たないとダメなんだなって。

――半ヲタになっちゃいけない(笑)

松井 はい、痛感してます。

――ボクが司会として参加したTIF 2014のミスiDステージの舞台裏に松井さんがいたときは、かなりの衝撃でしたけどね。

松井 あの年のミスiDは私にとって素敵な出会いでしたね。蒼波純ちゃんと出会えたので。彼女はずっと私のなかのアイドルです。

――どこがよかったんですか?単純にかわいいっていうのが重要なんでしょうけど。

松井 もちろんかわいいっていうのもありますけど、あの独特な空気感がいいんですよ。私、不思議な空気を持ってる子が好きで、それこそ、ゆるめるモ!のあのちゃんとか、ベビレのりおトンとか、ミステリアス系の。

――趣味がほぼ被ってますよ、わかります。

松井 謎な子が大好きなんですよ。自分の持ってない何かしらの大きなものを抱えている、そういう感じがすごくワクワクさせてくれるというか、次の展開が見えないので。りおトンなんかは当然のかわいさじゃなく、次にどのパンチが飛んでくるのかわからないから、いかにそのかわいさを受け止めるミットを持ってなきゃいけないか、みたいな感じで。

あのちゃんは特に見えないですもんね。いつ辞めてもおかしくない危うさというか。

松井 見えないですね。ああいう、いつか切れちゃいそうなあの感じが大好きなんです。

それは自分にないところなんですね。

松井 自分にないなと思うし、だからあこがれるんだと思います、そういうふうになりたかったなっていうか、なりたいなというか。

自意識の塊が生きるのは大変

――ただ、松井さんもアイドルの中では変わってると言われる側なわけじゃないですか。

松井 いまでこそですけど、活動を始めた頃は正統派、純粋、清純、みたいな扱いだったので。でも本当はオタクだし、どこまで隠し通せるか、みたいな。あとわりと負けず嫌いなので、我の強さとかも出しちゃうと、自分がアイドルオタクだったとして、それは見たくないなって思ってたので。そこはいまは見せるタイミングじゃないかな、みたいな。

――そういう計算もあったんですか(笑)

松井 オタクだからわかることも多くて、自分が握手会でどうしてもらったらうれしいかとか、ライブでどういうパフォーマンスだったりどういうことをしゃべったら人の記憶に残るか、楽しいかをずっと考えてやってたので。そのなかからどうやって徐々に本当の自分を出していけばいいのか。シフトチェンジをしていくのはすごい難しかったですね。

――実際、どうシフトしていったんですか?

松井 ブログがすごく好きだったので、そこで徐々に自分の好きなものを発信していって、ある程度グループも後輩が増えて安定してきて、自分の立ち位置が個性を出すっていうよりは全体をまとめるみたいなところになったなって感じたとき、じゃあもう私がどうこうは関係ないから私は私らしくしていいんだと思ったのがきっかけだと思います。もう後輩たちもだいぶ固まってきたし、ちょっとやり散らかしてもいいかな、みたいな(笑)

――すごい客観的なんですね。

松井 客観的ですね。自意識のかたまりみたいな女なんで、よくないなと思ってます。

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