ドラマ『豆腐プロレス』をきっかけにプロレスにのめり込む松井珠理奈が新日本プロレスの道場に殴りこみ!? 迎え撃つはエース棚橋弘至。ついに上野毛で世紀の対決が行われた!

エースの心得

――では、夢のビッグ対談を始めさせていただきます!

棚橋 本日はよろしくお願いします!100年に一人の逸材、棚橋弘至です!

松井 10年に一人の逸材、松井珠理奈です!アハハ、自分で言っちゃった(笑)

――オーディション時に秋元康さんが珠理奈さんを評した言葉ですね。

棚橋 知ってます!それ、何年のことですか?

松井 2008年ですね。

棚橋 僕が言いだしたのもその年なんです。12月の暮れでした。

松井 えー、すごーい!

――珠理奈さんは、7月30日がオーディションでしたね。

棚橋 僕はそこからインスピレーションをもらったのかもしれません(笑)。武藤(敬司)さんと東京ドームで対戦する前、自分ですごいキャッチコピーをつけなきゃいけないと思って、言い始めたんです。

――棚橋選手から見て、珠理奈さんはどんな印象ですか?

松井 恥ずかしい〜!

棚橋 先日の東京ドーム大会で観ていただいてから、プロレス熱が高まっていますよね。SNSを通じてチェックしています。好きになってくれたのがすごく嬉しいですね。

松井 やった(笑)。私から見た棚橋選手は、強いのはもちろん、優しい方という印象です。ファンサービスもすごいじゃないですか。そういうところも含めて尊敬しています。

棚橋 ありがとうございます。「豆腐プロレス」も何度か見ていますよ。第4話は全部見ました。

松井 えーー、嬉しい!

棚橋 主役の方(宮脇咲良)がいかにハリウッドJURINA(珠理奈の役名)にたどり着くかっていうストーリーですよね。だから、もっとスター感をガンガン出していっていいと思います。珠理奈さんが遠ければ遠い存在であるほど、物語は面白くなるので。

松井 たしかにそうですね。

――得意技は何でしたっけ?

松井 ハイフライフロー!

棚橋 フライングJURINAね(笑)

松井 アハハ!ちょうど4話で咲良ちゃんに「飛んでる時ってどんな気分なんですか?」って聞かれるシーンがあって、「最っ高の気分」って答えるんですけど、それは棚橋選手が飛んでいる時をイメージして言いました。

――棚橋選手は飛んでる時ってどんな気分なんですか?

棚橋 「最っ高の気分」です。

松井 アハハ!本物が聞けたー!

棚橋 試合のシーンも見ましたけど、やっぱりステージで常に観られている仕事をされているので、「あー、なるほどな」って思いました。もう10年選手ばりですよ。僕たちも、プロレスの技とか動きを通じて、何を見せたいかっていうところが勝負なんです。

松井 そうですよね。

棚橋 アイドルの皆さんも、ダンスや歌を通じて何を見せたいのか?っていうところがありますよね。それは、人間だったり、生き方だったりすると思うんです。僕らは技を通じて、気持ちを見せているんです。勝ちたいんだっていう気持ちを観てもらっています。そういう意識がもう珠理奈さんにあったことがわかりました。それがすごいなって。まだ19歳ですよね?僕が19歳の時なんて、目も当てられないです。

――珠理奈さんはSKE48のエースとして8年以上先頭に立って走ってきました。棚橋選手も新日本プロレスのエースに君臨してきました。

棚橋 僕の場合、自分で「エース」って言い始めたんです。その時点で責任を負ったんですよね。エースって、とにかく頼り甲斐がないといけないんです。どんなに大きなステージでも平常心で臨むようにしています。周りのメンバーがどれだけ緊張していても、珠理奈さんだけはそれを見せない。そうすると、メンバーに安心感が広がるんです。

松井 あー、なるほど。

棚橋 あと、僕が気をつけているのは、デビュー間もない選手に声をかけたりして、全体に目を配るようにしています。僕は先輩としては厳しくないんです。僕は「疲れたことがない」と言い続けることで、みんなのお手本になろうと思った。誰よりも練習して、プロモーションに励んで、そして激しい試合をしても疲れた姿を見せないんです。

松井 私も、後輩に伝えたいことがいっばいあるんです。でも、その伝え方がわからないんですよね。今までは言葉で伝えようとしたこともあったんですけど、やっばりそれだけじゃ伝わらないんです。今は行動に移したほうがいいと思うようになりました。自分の姿を見せることで伝わるのかなと思っているんですけど、それが伝わるのって時間がかかるんです。

棚橋 それはすごく大変な作業だけど、プロレスラーもみんな一番になりたい人の集まりなんですよ。アイドルもそうですよね。珠理奈さんがこれだけ練習して、これだけ努力しているからエースなんだっていうことは、他の人からしたら、珠理奈さん以上の努力をしないと超えられないんだ――っていうところを見せると、全員のモチベーションが上がると思いますね。抜けるもんなら抜いてみろよ、くらいの。

松井 本当はそうならないといけないんです、私は。でも、自信が持てない部分もあって。

棚橋 まだ胸を張ってエースだと言えない感じ?

松井 言えないんですよ。言いたい!

棚橋 わかります。

松井 一番前に立つって、やっぱりプレッシャーがあるんですよ。

棚橋 ありますね。

松井 それでも強くないといけないじゃないですか。そんな時に孤独を感じたり弱い気持ちが出てきたりすることってありますか?

棚橋 僕はなかったですね。

松井 ないんですか!

棚橋 いろんな人の話も聞くけど、最後は信念ですよ。自分がやっていることが絶対正しいという信念が大事なんです。ぐらつきそうになっても、そばに信頼できる味方が一人いれば立て直せます。

松井 なるほど……。

棚橋 僕はブーイングを受けていた時期があるんです。昭和のチャンピオン像と棚橋のチャンピオン像は違う、ということでね。でも、音響のスタッフさんだけは、「あれでいいんだよ。チャンピオンはやられてなんぼなんだから」と言い続けてくれた。それで、僕はこれでいいんだって思えたんです。

松井 私にも一人いますね、最後の同期(大矢真那)が。でも、信頼できる人は一人じゃないです。

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