11年目の答えを求める果てしなき道のり途中、AKB48はプロレスと遭遇した。そして、総監督と現世代エースは今、『豆腐プロレス』を通して自分たちに必要な何かを見出し始めている。飛び交う絶賛も批判もそれはきっと、渇ききった時代に贈られた雨乞いの儀式のような声援だ!

見つけた共通点

――お忙しいところすみません!『豆腐プロレス』、毎話2回ずつ見てます!

横山 ありがとうございます!

向井地 すごい(笑)。

――おふたりもSHOWROOMで実況しながらご覧になっていますね。

横山 すごく面白いです!

向井地 30分があっという間に感じます。

――日々の活動をこなしつつプロレスのトレーニングしているわけですから、めちゃくちゃ多忙なんじゃないですか?

横山 小嶋(陽菜)さんの卒業コンサートのリハーサルもあるので。

向井地 私は(1月19日に)ソロコンがあったので、その時期は大変でしたね。ソロコンのリハもやりつつ、朝からドラマの撮影もあったり、その合間に(ソロコンで披露した)ギターの練習に行ったりしてて。

横山 やってたねー。

向井地 ソロコンも終わったので、今はプロレスのことを考えて過ごしています。

――これまでAKB48はヤンキーやキャバクラ嬢にドラマとして挑戦してきましたが、今回はプロレスです。取り組み方も今までとは少し違ってくるのかなと思いますが、いかがですか?

横山 『マジすか学園』や『キャバすか学園』では、事前に殺陣の練習をしたり接客の指導をしてもらったりしたんですけど、今回は初めて本格的にトレーニングを積みました。今の私たちに秋元(康)先生がプロレスをやらせるというのは、何か意図があるんじゃないかなって思います。

――秋元先生は、ドラマの公式HPで「アイドルは、プロレスである」というコメントを寄せています。どんな意図があるんでしょうね?

横山 何やろな……、たぶん秋元先生は一生懸命な姿がAKB48だと思っていらっしゃると思うんです。

向井地 うんうん。

横山 それは初期の頃からそうで。11年経った今、メンバーの移り変わりはあったけど、そこは忘れないでほしいっていう意味があるんだろうな、と思います。一生懸命さとか汗をかくとか、そういう部分なんだろうな、と。

――向井地さんは以前、「AKB48は青春をする場所」とおっしゃっていました。まさにそういうことなんでしょうね。

向井地 フフフ、はい(笑)。

横山 名言やん!

向井地 ありがとうございまーす(笑)

――レインメーカーならぬ名言メー力ーですよ!

向井地 いやいやいや(笑)

――青春といえば、「豆腐プロレス」も青春ドラマ感が強いですね。

向井地 そうですよね!王道でもあり、青春感もあり。プロレスとアイドルって、今までは全然結びつかなかったんですけど、このドラマをきっかけに、実は似ている部分か多いんじゃないかって思うようになりました。

――そういう話をしに来たんです!どのあたりが似ていると感じますか?

向井地 横山さんの言う一生懸命さもそうなんですけど、プロレスってスボーツだと思っていたんです。でも、どっちかというとエンターテインメントなのかもしれないなってすごく思ったんです。それぞれの選手にキャラクターがあって、コスチュームがあって、リング上がステージみたいじゃないですか。それって、私たちが普段やっている公演と通じるものがあると思いました。

――その通りですね。横山さんはいかがですか?

横山 私も感じてます。グッズとか。

向井地 ハハハ!

――さすが総監督です!

横山 AKB48もファンの方がTシャツを着てくれているじゃないですか。プロレスもグッズがめっちゃ種類があるんです。私が衣装で着せていただいているTシャツも格闘技メー力ーのものなんですよ。

――格闘技ショッブ「ISAMI」が展開しているアパレルブランド「REVERSAL」ですよね。

横山 あとは、内面的な部分でも似ているのかなって。ファンの方か応援してくれて成り立つっていうところは、アイドルとプロレスは近いんじゃないかと。

――両者は本質的に近いから、ファンも似てくるんだと思いますし、特に80年代はファン層がかぶっていたんです。その影響なのか、AKB48のファンじゃない方たちも「豆腐プロレス」にツイッターで反応しています。

横山 へえー、そうなんや!

――従来のファン以外の層に届いているという意識ってありますか?

横山 毎週私たちの試合のシーンが放送されているんですけど、心がけているのは、できる限り本物のプロレスに近い形にしたいということ。そうすれば、プロレスを好きな方にも見ていただけるかなとみんな思っています。そのためにも、下田美馬さん、ミラノコレクションA.T.さんという経験者の方に教えていただいています。

向井地 アイドルがプロレスみたいなことをしていると見られるんじゃなくて、「AKB48もすこいじゃん」と思っていただけるように頑張りたいですね。

――「プロレスみたいなもの」をやっていると思われると……。

向井地 絶対怒りますよね(笑)。生半可な気持ちでやってるのかって。それは申し訳ないし、せっかくやらせていただく以上はガチでやりたいなと思います。

マイクアピール

――向井地さんは、「運動神経ゼロ」を公言していますが、練習にはついていけていますか?

向井地 最初はとにかく不安だったし、結構病んでたんですよ(笑)。あまりにもできな<て。

横山 トレーニング中に泣いてました(笑)

向井地 頭を思い切りぶつけたりとか、大変だったんです。でも、今は撮影も楽しくなってきています。もうすぐ試合のシーンも撮影するので、それに向けてトレーニングを積んでいるところです。

――第4話で「私、辞める!」と言い出したから、この取材もキャンセルになるかと思いましたよ。

向井地 ハハハ!

横山 いないかもしれないって(笑)

向井地 大丈夫です、いますよ!

横山さんはプロレスをやることに不安はありませんでした?

横山 プロレスのイメージとして、血が出るんじゃないかっていうのがあるじゃないですか。それくらいの知識しかなかったので、みんなと同様、私もどうなるんだろうと思っていました。美音以外に運動神経がないメンバーもいるので、「これ、成立するんかな」みたいな(笑)。でも、トレーニングをしていてわかったのは、古畑奈和ちゃんはすごく受け身が上手だったりとか。

向井地 たしかに!めっちゃ上手!

――受け身か上手な古畑奈和(笑)

横山 SKE48って運動神経がいいんですよ!

向井地 ホントすごいですよね!

横山 珠理奈ちゃんもそうだし、奈和ちゃんもちゅり(高柳明音)も。

向井地 須田(亜香里)さんもすごいですよね。

横山 グループごとに特色が出るのも面白いですね。NGT48は新しいクループだから、現場に来るたび緊張していますね。山田野絵ちゃんとか、な?

向井地 あのキャラはヤバい!

横山 水泳帽かぶって乱闘に参加するって、どういうこと(笑)。最初は泣いてたけど、な?

向井地 泣いてましたねー。

横山 先輩に当てるのが申し訳ないっていう理由で泣いちゃったりして。私も昔はそんな感じやったなーって思ったりして。でも、第1話の島田(晴香)と(松井)珠理奈ちゃんの試合に刺激を受けたというのはあります。もっとできるようになりたいっていう気持ちが出てきました。

――横山さんはプライベートでキックボクシングをやっているんですよね。

横山 はい。体を動かすのは大好きなんですけど、ブロレスとは違いますから。相手との意思疎通ができていないとダメだし。撮影中に怪我するんじゃないかという不安はあります。

向井地 私たちは素人ですからね。

――なにしろ2クールありますから、見ていない人もまだまだ間に合いますからね。今回おふたりを取材させていただきたかったのは、新しいAKB48の顔なんじゃないかと思ったからなんです。横山さんは総監督で、向井地さんは現世代のエース的存在という。

2人 ありがとうございます。

――『マジすか学園』が新規ファンを獲得したように、『豆腐プロレス』は、世間がおふたりを認識するチャンスだと思います。そういうようなことって、普段から意識していますか?

横山 はい、すごく考えています。

向井地 そうですね。

横山 AKB48は先輩たちのお陰で広まったわけですけど、私たちも含め、今どんなメンバーがいるのかっていうのは、あまり知られていないんだな、と感じているんです。「じゃあ、どうしたらいいんやろ?」っていうのはよく話すよね。

向井地 よく真面目な話をしますね。最近、2人でこ飯に行くんですけど、AKB48の話ばっかりしているんです。グループの名前は知っていただいているけと、新しく好きになっていただくのって、すごく難しいことだと思うんです。新規のファンをどうしたら増やせるのか、いつも考えています。

――プロレスを例にとると、新日本プロレスが大ピンチに陥ったんです一線級のレスラーが他団体に移籍したりして。

横山 へー、そうなんや!

――そこで踏ん張ったのが棚橋弘至選手を中心としたレスラーで。

向井地 珠理奈さんの大好きな(笑)

――そうですね。若い世代が踏ん張ったことで、もう一度黄金期を創ろうとしているのが新日本プロレスなんですね。そういう意味で、プロレスから学ぶものは大きいと思うんです。

横山 たしかに。

向井地 技以外にも勉強になる部分が多いですね。

次のページへ