強い言葉は昔を思い出すためではなく、未来へ進むためのものだ。高橋朱里は今しか見ていない。止まっていた時間が再び動き出す。

ドン底での気づき

――お久しぶりです!

高橋 また呼んでいただいて、ありがとうございます!……私、本当に変わったんです。

――たしかに、今日の高橋さんは表情も雰囲気も以前よりすごく、おだやかになっている感じがしました。去年、頻繁に出ていただいていた頃は、チームのキャプテンに就任したり総選挙を控えていたり、色々と抱え込んでいた時期でしたよね。

高橋 すごくプレッシャーを感じていました。一昨年は17歳から18歳で周りの環境が変わって、去年の18歳から19歳になる時は、中身がそこに追いつこうってもがいてる感じだったんだと思います。

――変わった、というのは何かきっかけがあったんですか?

高橋 年末のNHK紅白(事前の視聴者投票で48人の出演メンバーを決める企画)です。このグループで活動している中で、出演メンバーに入れないということ、あんなにつらいことはなかったです。選抜総選挙でもプレッシャーを感じていて、つらいなーとは思っていたんですけど、全然そんなものじゃなくて!

――レベルが違ったと。

高橋 本当にやばかったです。総選挙では15位なのに、紅白では圏外という結果になってしまって……。でも、こんな私をスタッフさんやメンバーがものすごく支えてくれたんです。指原(莉乃)さんも声をかけてくださったし。

――指原さんは以前から高橋さんにアドバイスを送ったりと、気にかけてる印象があります。「もっとアイドルを楽しんだ方いい」とか。

高橋 その意味も、自然とわかるようになってきて。紅白選抜の発表が終わって、家に帰って泣いていた時に指原さんが電話をくれて。こんなにピンチなのに、「チャンスだよ」って言ってくれたんです。内心「どこがだよ!」って思ったんですけど(笑)

――そりゃそうですね(笑)

高橋 でも本当に、総選挙で15位になれた時にいろんな人が自分のことのように喜んでくれたみたいに、辛いこともこうやって共有して、分かってくれる人がいるという、グループの良さに気づきました。気づいてるつもりではいたんです。でも、本当の意味で、周りの関わってくれている、身近なメンバーやスタッフのみなさんに対しての気持ちが変わりました。

――正直、今日は久々なので、もうちょっと軽めの話をしようかなと思っていたんですよ(笑)

高橋 あははは!いや、でも自分で話した方がいいかなって思って(笑)。ファンのみなさんも気になってたと思うんですよ。BUBKAさんに載る記事を喜んでくれていたし。

――高橋さんの言葉の強さに僕らも惹かれて、その熱さを届けたいと思っていたんです。結果、話題にもなり広く届くことになったわけですけど、その強い言葉に反発する人が増えたり、高橋さん自身も言葉に自分が追いつかないギャップを感じているように見えてきて。

高橋 それはありました。ネットですごく叩かれた時があって(笑)。でも、外に向けて何もやっていなかったことを心から反省したんです。『AKBINGO』が地上波の大事なチャンスだってこととか、そこをもしおろそかにしたら、もはやこれまで……と感じています。

自分の世界を

――今回はまさに、「対世間」をテーマにメンバーのみなさんに話を聞く号にしようと思っていて。高橋さんも1人でミュージカルの主演を務めることが決まり、グループでの立場的にも、世間との接点というか挑戦の機会がある人ですよね。その、「外に向けて」という部分では、どういう意識を持っていますか?

高橋 自分の世界を作りたいんですよね。

――自分の世界?

高橋 周りに流されて相槌を打つとかじゃなく、周りの子のエピソードを話すとかじゃなく、AKB48や私を知っている方がいないところで、「なんだろう?この子、面白いな」とか、そういう自分を出していきたいです。それには度胸も必要じゃないですか、やっぱり。

――大事ですね。

高橋 紅白でも圏外になって、私なんて全然知られてないんですよ。だから、どうにでもできるんだなって思いました。『AKBINGO!』に出る時もキャプテンとして話す時も、「どう思われるかな」ではなく「どう記憶に残るか」を考えるようになりました。それは、たとえば悪役でもいいし、意味分からないでもいいし。記憶に残るのって一瞬なんですよ。

――たしかに、長く付き合ってるメンバーや関係者だったらこのメンバーはこういう子って予備知識がありますけど、外の世界はそうじゃないわけで。

高橋 そうなんです!それをやりもしないで歌番組に出させていただいていたから、画面にも抜かれなかった。思ったのは、楽しまないとダメだ、ということです!私がテレビを観ていても、楽しんでる人が一番キラキラして見えるから。私、勝手に藤田ニコルさんに支えられているんですよ!

――え?

高橋 いや、交流とかはないんですけど(笑)。にこるんはモデルもやってるしバラエティもやってるし、めちゃくちゃ頑張ってて。Twitter見てても本当にファンの方のことも考えてるし。私、バラエティが結構苦手なんですけど、そういう時はにこるんのTwitterを見て、「にこるんが頑張ってる!私もがんばらなきゃ!」って思ってます(笑)。周りに対して劣等感を感じて、悲観的になるんじゃなくて、もっと楽しんだ方がいい。だから、10代最後のこの1年はつまらない子にならずに、やらかそうって思っています……やらかす?

――自分を解放しよう、みたいな?

高橋 やってやろうって。もう、誰かの後ろに隠れるみたいなのはやめて、自分を売り出していかなきゃダメなんです。選挙で選抜に入るだけじゃダメなんですよね、もう。そういう時代じゃないらしいというのを、私は全身でそれを2016年に感じたので。

――つまり、生まれ変わったと。

高橋 本当にそうです!

――久々でしたけど、やっばり言葉に力があるなとあらためて思いましたよ。

高橋 そうですか?だとしたら、聞き手の方の腕ですね!

――気分良く帰れそうです(笑)

高橋 あははは!今日はありがとうございました!