かつてココシャネルは「人生がわかるのは、逆境のときよ」と語った。そして、時代、国境を越え「自分の好きな事」を武器に現状を打破したアイドルが難波の地にいた。吉田朱里はYouTubeにアップした「女子力動画」が16万人に支持され、村瀬紗英はWEARに毎日のコーディネートをアップし20万人からフォロー。長いアイドル活動の中、導き出した「武器」で切り開いた逆境。2人の行動はNMBの「未来」、さらにはアイドルの「生き方」を変えるはず――。

やっとスタートライン

――この組み合わせは珍しいですね。

村瀬 初めてですね。

吉田 そうやんな。

――なぜこの組み合わせなのかというと、自分の力でポジションを築いたという共通点があるからです!

村瀬 ハハハハ!

――48グループで誰もやったことがない分野を開拓中のおふたりですが、特に吉田さんはAKB48のシングル『シュートサイン』の選抜にも入られて。初選抜ですよね?

吉田 ビックリしました!少し前までは、「AKB48の選抜に入る」ということが自分の目標にはなかったんです。そこに関しては確実に諦めていました。今は次世代メンバーが前に出るという風潮があるから、私はその枠には入っていない。じゃあ、私はみんなとは違う頑張り方をしてみようかなと思っていたんです。それが、YouTubeオフィシャルチャンネルの「女子力動画」でした。

――去年の2月にスタートさせて、1周年を迎えました。自ら撮影・編集を行っているんですよね。

吉田 そうですね。卒業を視野に入れながら頑張っていこうと思っていた矢先に、去年の『NHK紅白歌合戦』の投票企画で6位をいただけて。「まだこのグループで頑張っていけるチャンスがあるのかな?」と思えるようになっていたんです。年明けの目標として、「AKBの選抜にも入りたい」と話していたら、すぐに叶ってすごく嬉しかったです。

――村瀬さんも目標にしている部分はありますか?

村瀬 いや、私はまだそんな……。NMBの中でのポジションを上げていきたいっていう気持ちが強いですね。

吉田 女子力動画を頑張ってきて思うのは、私が偉そうなこと言うのもアレなんですけど……。

――言っちゃいましよう!

吉田 昔は篠田麻里子さんがモデルをされていたり、前田敦子さんが女優として活躍されていたりとか、フロントメンバーさんそれぞれに役割があったじゃないですか。

――外の世界に届く活動をしていて、ファンになるきっかけを作ってくれていましたよね。

吉田 みんなそれぞれ、上を目指して頑張ってはいるとは思うんですけど、「この人はこれ!」っていうカラーがあるメンバーが少ないのかなって。今の私はやっとスタートラインに立てたと思っています。「アイドルとしての吉田朱里」も磨いていかないとダメですから。昔の神7のみなさんはどっちも優れていましたから。

――それにしても、チャンネル登録数16万人はすごいですよね。一方の村瀬さんはWEARのフォロワー数が20万人!

吉田 すごいよな!?

村瀬 そう(笑)

――まずはWEARの説明をお願いできますか?僕も含めて、ウチの読者はよくわからないと思うので(笑)

村瀬 WEARは、自分の私服やコーディネートをアップしていくアプリのことです。去年の選抜総選挙の翌日から始めたんですけど、毎日違うコーディネートで更新しているんです。

――それも自分発信で始めたいと?

村瀬 はい。WEARの存在は知っていたので、ここで自分を出すきっかけにしたいなと思ったんです。ゆくゆくはファッション関係のお仕事につながればいいなって。でも、なかなかOKが出なくて。ひたすらやりたいと言い続けていたら、「じゃあ、やってみようか」という流れになって。

――若い女子はかなりチェックしているアプリみたいですね。ウチの女性編集部員も村瀬さんのコーディネートを見ていますよ。

村瀬 ほんまですか(笑)。たとえば、「ミニスカート」で検索したら、ミニスカートのコーディネートがたくさんヒットするんです。その日の洋服に迷っている人が使うことが多いと思います。だから、ファッションオンリーのアプリなんです。

吉田 私も見ることはありますよ。昔からアプリは入れてますし。

――「ネットをいかに有効に使うか」は現代アイドルの重要なテーマだと思いますが……。

吉田 私はツイッター、インスタグラム、YouTube、モバイルメールですね。いっぱいありすぎて755はあんまり更新できてない(笑)

村瀬 私はたまにやってますよ。

吉田 偉いなー!あと、SHOWROOMがあったわ。私はいろいろ興味があるから、とりあえず何でもやってみたいんです。SHOWR00Mやったら、ファンの方とコミュニケーションが取れますし、ふらーっと覗きに来る方もいます。いただいたコメントを読んだのがきっかけで、握手会に来てくれることもあるんです。ファンの方との距離を縮めて、動画越しにファンになってもらえるんです。

継続することが大事

――村瀬さんもWEARを毎日続けるなんて、すごいですよね。

村瀬 いかに着回すか、になってきますね。今まではワンピースが多かったんですけど、買い方が変わってきました。

――単純に、お金がかかりますよね?

村瀬 たまにファストファッションのお店にも行って、「使える服いっぱいあるんやなー」みたいな(笑)

吉田 女の子はそういうの嬉しいやん!

村瀬 そうなんですよ。でも、やっぱり継続させることが大事ですよね。朱里さんを見てて、そう思います。

――正直な話、吉田さんが「YouTuberになる」って言われた時、リアクションに困りましたもん。

吉田 ですよね(笑)。私もこうなるとは思っていなかったから。でも、紗英ちゃんにも共通して言えることは、好きなことだから続けられるといつことです。

村瀬 うんうん。

吉田 好きなことをまっすぐに発信しているだけなんです。それによってお仕事として返ってくるものがあったり、反響があったりした時、やり甲斐を感じられます。

――手応えを感じるようになったのはいつ頃ですか?

吉田 始めた頃は動画を上げることだけに必死で、気づけば半年経ってましたみたいな感じでした。「やってる意味あるんかな?」って感じたこともあったけど、「とりあず1年続けてみれば。絶対結果は出るから」ってスタッフさんに言われたので、またエンジンがかかって。で、動画の数を増やしたらチャンネル登録数も伸びるということがわかってきて。そんな要領を掴んだ頃に雑誌のお仕事が入ってきたり、「女子博」に単独で出させてもらったりしてきて。これは頑張ったらもっとイケると思っていたら、『紅白』の6位があった――という流れです。

――心が折れそうになったのはなぜ?

吉田 チャンネル登録数が増えると、ツイッターのフォロワー数も増えていくんです。街中で声をかけられる回数が増えたり、女子大生が選ぶ「メイク、ファッションが参考になるランキング」で1位をもらったりして。だけど、それが握手会の伸びには繋がらなくて。だから、モヤモヤしていた時期があって。

――そこもまた大事ですからね。でも、自力で突破したのが本当にすごいです!

吉田 私は6年以上やってきて、「自分でどうにかしないといけないんだな」って、やっと思えたんですよ。1期生として入ったばかりの頃は、注目を浴びるわけじゃないですか。お仕事がある状態が普通だったんです。だけど、若いメンバーも入って来るので、自分が動かないといけない。ファンの方も新しいメンバーが好きだし(笑)。そういう崖っぷち意識が表れたのかな。

――後輩の励みにもなりますよね。

吉田 後輩といえば、(NMBの)5期生のオーディション、AKB48の16期オーディション、SKE48の8期生オーディンョンで、「アカリンさんの女子力動画を見てます」って答えるコが多かったと聞きました。あーやん(山本彩加)がオーディションを受けたきっかけは、私が「女子力動画」で「5期生オーディション始まりました」って宣伝したのをお姉ちゃんが聞いたことなんですよ!

村瀬 すごい!あーやんを連れてきたんや!

吉田 運営はマジで感謝してほしい!

村瀬 ハハハハ!

――彼女もそうですけど、NMBはかわいいコが多いですよね。そこは、SNSをやる上で武器になりますね。世間って、かわいいかどうかで決めてしまうところがあるじゃないですか。

吉田 そうですね。

村瀬 『紅白』にNMBから(48人中)11人も入ったのは、それも関係していると思います。

――選抜総選挙とまったく違った顔触れになったのが面白かったですね。

吉田 『バイキング』で宮迫博之さんが私のことを、「このコ、選挙で77位なのに6位?」って驚いてたんですよ。それを見たファンの方が、「ごめんね、選挙でも頑張るね」って言ってくれたのが、すごく悲しくて(笑)

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