『革命の丘』と名付けられたSKE48の2ndアルバムが発売された。タイトルの意味を巡って発売前から様々な声が飛び交ったが、ここは我らが高柳明音に一喝してもらおう。自虐を完全封印したおまちゅり女が吼える!

愛を持って制す

――まず今回の取材のコンセプトを説明させてください。最近、坂道グループが勢いあるじゃないですか。

高柳 そうですよね!

――そんな折に、SKE48のニューアルバムのタイトルが『革命の丘』に決まり、新たに戦いを挑もうとしているのかなと思うんです。そこで、48グループが戦うべきは、やはり「世間」ではないか、と。

高柳 ですよね。

――最前線に立って「世間」と戦っているメンバーを取材していこうというわけなんです。

高柳 ふんふん。なるほど。

――高柳さんは何度も48グループ以外の舞台に立ってきています。そこで風穴を開けて、SKE48にファンを連れてくるというような意識を持っている方だと思うんですよね。

高柳 もちろんです。先ほどまでやっていたミュージカル(『プリパラ み〜んなにとどけ!プリズム☆ボイス2017』)もそうなんですけど。

――千秋楽が終わった足で、この取材に駆けつけてもらって恐縮です(笑)

高柳 いえいえ。今回の舞台は、アイドルグループ・i☆Risがメインキャラクターを演じているので、そのファンの方も観に来ていらっしゃるし、『プリパラ』という作品のファンの方もいらっしゃるわけです。子供向けの作品なので、ということはお母さんもいらっしゃるんです。まず私が心がけていたのは、原作のファンの方の期待に応えられるようにしたい、と。48グループのメンバーだという目で見られないようにしないといけないなって思いましたね。48グループのメンバーということで喜んでくださる方もいらっしゃるけど、マイナスに捉える方もいらっしゃるんです。

――そういう空気を感じたんですか?

高柳 私の名前よりも、48グループのネームバリューが大きいから、ニュースになった時の見出しが「SKE48高柳明音、ミュージカルに出演」となってしまったことがあるんです。そうなると、原作ファンの方が、「話題を持っていかれてるじゃん」と感じてしまう。今回は再演だったんですけど、前回はそういう意味で逆境からのスタートでしたね。だから、アイドルでいながらも役者をやっているんだと、まずはそこから認めてもらわなくてはという。初演で認めていただいたと思うので、今回はすごく温かく受け入れていただけたなと感じています。私もこの作品を本当に愛しているから、その愛も伝わったのかなと思って。

――外側の世界との戦いに勝ったという感覚ってありますか?アウェーの場だったし、いわば異種格闘技戦みたいだなと思っていたんですよね。これまでに両陣営が築いてきたものを同じステージでぶつけるという点で。

高柳 そうですね、え……。私はi☆Risをすごくリスペクトしているし、仲良くさせてもらってもいるんです。だから、敵地に乗り込むっていう感覚ではないんですよ。

――あー、なるほど。では、『FNS歌謡祭』のような番組に出演する時はいかがですか?他のアイドルグループや豪華アーティストの方たちがいて、かなり刺激的だと思うんですよね。

高柳 比較するなら、今回のような舞台の場合は私のことを知らずに観に来る方が多いんです。観劇後に、「SKE48のコだったんですね!」っていうコメントをいただくことがよくあるので。だから、私のイメージをイチから作れるんですよ。一方で、『FNS歌謡祭』のような番組でいろんなアーティストさんが直に見てくださっている前で踊る時って、「48グループ」というくくりで観ていると思うんでよね。個人名でなくて、グループとして認識している時に私たちができることは、やっぱり気持ちで伝えるパフォーマンスをするしかないんですよ。ニコニコしながら歌うんじゃなくて、元気にパワフルに全力で踊ることで、少しでも拍手をいただければと思っていますね。

――なるほど。では、アイドルグループがメドレーでコラボすることがありますけど、どんな気持ちで見ていますか?

高柳 SKE48からは(松井)珠理奈さんぐらいしか出られないので、すこく悔しいですね!AKB48さんはもちろんたくさん出ていて、NMB48さんやHKT48さんからは数人出ているので。見ていて思うのは、やっぱりアイドルってキラキラしているなっていうことです。話は少し逸れますけど、『NHK紅白歌合戦』で吉田朱里ちゃんが上位にランクインできたのって女の子からのリスペクトがあるからじゃないですか。

――投票企画で6位でしたね。

高柳 モーニング娘。さんにしても女の子のファンが多いですよね。私たちはハロープロジェクトさんに憧れて入ってきた世代ということもあるので、そこは今年の目標のひとつなんです。それを成し遂げないと上にはいけないと思います。もちろん女の子の支持だけあればいいわけじゃないけど、女の子って拡散力がすごいんですよ。インスタグラムにしてもツイッターにしても。SKE48は身内ネタが多い(笑)

――僕らもそうかもしれません(笑)

高柳 だから、もっと今年はいろんな方が観に来られるようなコンサートをやったりして、バランスを取っていければなって思っています。

もはや時間はない

――高柳さんの考えるベクトルがだいたいわかりました。そこで、『革命の丘』に戻るんですけど、このタイトルをどう捉えていますか?

高柳 これが最後のチャンスだよっていう気持ちでSKE48はやったほうがいいと思ってます。そのタイトルを聞くと、「革命を起こしてやるぜ!」っていうふうに聞こえるじゃないですか。そういう意味もあるんでしょうけど、10月に結成10年目に入るわけですから、今ここで革命を起こさないと、数多くあるアイドルグループの中に埋もれてしまう。具体的に何をすればいいのか、それはわかりませんけど、自分たちで何かをしないといけないという気持ちは強くありますね。大人に頼っているだけじゃなくて、自分たちで動かないといけないっていう。実際、そういう動きをメンバーから感じるんですよ。

――革命の狼煙が上がってますか。

高柳 アルバム発売のイベントを名古屋、東京でやってますけど、こんな企画をしたいってメンバーが意見していますし。それに、再開する全国ツアーにもこういうことをしたいと、メンバーはスタッフさんに発信しています。私も気づいたことは言うようにしています。今まではついて行っているだけでしたけど、もう8年もやっているんですから。革命は誰かが起こすんじゃなくて、自分たちで起こすんですよ。

――その通りですね。

高柳 しかも、その革命は裏じゃなくて、表で起こさないといけないんです。今回、アルバムのリードシングルのフロントメンバー(松井、高柳、須田亜香里)が発表された時に、「何も革命起きてないじゃん」っていう声もあったんです。でも、そうじゃないんですよ!

――熱くなってきましたね(笑)

高柳 今までもセンターの交代とか、フロントメンバーを替えるとかしてきましたけど、ここで原点に戻ることはマイナスじゃないんです。私とあかりん(須田)が抜擢されたのはシングルじゃなくて、アルバムだからこそ、だと思うし。もう一度自分たちができることをやるしかないっていうことなんです。内側では革命を起こす努力をして、それが外側に届いたら、「革命」が成し遂げられたっていうことなんでしょうね。

――外側の世界、つまり「世間」に届いた瞬間、革命は成就する。

高柳 SKE48の中で革命を起こしても、届くのはファンの方だけですから。観ていない人たちに向かって革命の火を起こさないといけないんですよ!

――やっぱり高柳さんは「世間」を強く意識しているんですね。

高柳 SKE48のことは48グループの一員なんだろうなっていうことはわかってもらえていると思うので、そこからどうやって好きになってもらうか。「知る」だけで終わらないようにしないといけないんです。メンバーはみんなそういう考え方です。

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