またお芝居にはチャレンジしてみたいです

芸術肌で選抜の常連だった伊藤万理華にとって2016年は激動の年となった。14thシングル『ハルジオンが咲く頃』から2作連続でアンダーとなり、ライブに帯同。16thシングル『サヨナラの意味』で再び復帰を果たすも、これまでの選抜とは違うと語る。

『ハルジオンが咲く頃』でアンダーと決まったときは「修行なんだな」と納得していました。選抜の3列目で目立てていなかった私の頑張りどころが個人PVでしたが、それもだんだんと減って。そんなタイミングで、井上小百合とのデュエット曲『行くあてのない僕たち』をいただいた。タイトルや歌詞、ミュージックビデオの脚本を見たときは、直球すぎて心がえぐられました(苦笑)。「生き様を全部投影していく、これがアイドルだな」って思いましたね。

アンダーライブではフロントなどのいい位置に立てたことで、「表現することを一生のお仕事にしたい」と改めて思えるようになりました。選抜入りが続いてた頃は、正直自分の位置が変わらないことばかりに執着していました。存在感を示すために自分の好きな方向にばかり突き進んでいたけど、アンダーラィブを通して以前のがむしゃらさとか、楽しく踊ることを思い出したんですよ。

きっかけは、アンダーの出番も多く見せ場が多かった神宮球場の「BIRTHDAY LIVE」です。その前までの地方公演は、アンダーの出番が少なくて選抜との違いを痛感してたので、「このライブでは真っ先に名前が挙がるくらいに、精一杯頑張ろう」と心に決めていました。やりきれたと感じたし、しっかり自分が見せられたという手応えがありました。ファンの方からも「良かった」と言っていただくことが多くて、自分の思いがちゃんと届いたなと感じました。

アンダーライブ中国シリーズでは初めて地方のツアーに参加しました。自分がフロントに選ばれたのは運だと思い込んで(笑)与えられた役目を全力でやりました。ライブのテーマが「表現の向上」で、がむしゃらさだけではなく、感情を込めたり、丁寧に表現するということも私に合ってました。

バレエを生かした振り付け

ツアー中は「こう見せたい」と自分から提案もしました。乃木坂46に入る直前までずっとクラシックバレエを習っていたので、自分で振りを考えて『命は美しい』のつなぎでバレエを踊ったんです。ここが見せ場だと思ったし、やっと今までやってきたことが表現できてすごく充実感がありました。

アンダーライブと並行して、自殺した女子高生の幽霊という難役に取り組んだ舞台『墓場、女子高生』の稽古も行っていた。過密日程だが、つらくはなかったと笑う。

体力的にはハードでしたが、演技も大好き。好きなことが同時にできてすごく幸せでした。以前は舞台に対して苦手意識があったけど、『すべての犬は天国に行く』をきっかけに変わったんです。まだまだ足りないことばかりですが、すごく楽しめました。

プレッシャーもありましたが、それを感じる暇もないくらい、本読みから「ヘタ」って怒られました(笑)。本番では絶対に「良かった」って言ってもらおうと精古には懸命に食らいつきました。私が演じた日野ちゃんは、自殺してすでにこの世にいない女の子。つい暗く演じてしまいがちでしたが、演出家の方から「幽霊になった人なんて誰もいない、だからそこは深く考えず、自由に演じて」とアドバイスをいただきました。なるほどなって思ったし、今までで一番自然に演じられたと思います。夢中になれるもののひとつなので、またお芝居は機会があればチャレンジしてみたいです。

『サヨナラの意味』でまた選抜に戻りましたが、今までとは全然違う感覚です。これからは、以前のように何列目かに執着するんじゃなく、自分を信じるしかないという思いです。

2017年も表現し続けて生き生きとした年にしたいですね。ファンの方々の思いを受け止めつつ、「自分はこういう人間です」というのを表現者として示していきたい。映像、特に映画が好きなので、ショートムービーでもいいから出演したい。雑誌「MdN」の連載で実際にお目にかかったクリエイターさんと一緒に作品が作れたらいいですし、クリエイターさんから「この役、伊藤万理華ならできると思う」と思ってもらえるようになりたいです。