NGT48の初シングル『青春時計』のセンターに選ばれた中井りか。グループに加入してからは「負けたくない」「センターになりたい」その思いを胸に必死に活動してきた。悔しい思いもしながらもSHOWROOMで人気を獲得し、AKB48の選抜に2度も抜擢、ドラマにも出演、その全てが結実した今回のポジション。48グループにおいて努力で成り上がることを”証明”した彼女のルーツに迫る。

悔し涙と覚悟

――中井さんがセンターを務めるNGT48のデビューシングル『青春時計』、まもなくリリースですね。

中井 ありがとうございます!

――センターを務めることの重みも日に日に増してきているのではないでしょうか?

中井 そうですね。でも、指名されたころよりは自信を持てるようになってきていて。最初に感じていたプレッシャーを跳ね除けられたポイントがあって、やっぱりそれはメンバーの悔し涙だったり、「おめでとう」という言葉だったり。そういうメンバーの姿を見ていると、私が自信を持ってセンターに立たないとみんなの気持ちが報われないだろうなって思ったんです。悔しいと思っているメンバーの気持ちも私はすごくわかるので、ここはもうやってやろうという意識になってきました。やっぱり悔しい気持ちを全面に出してくるメンバーがいると、私もその気持ちに背を向けられないから。「あのコはせっかくセンターに選ばれたのに、なんで自信を持ってやらないんだろう?」って言われちゃうと思うんですよね。

――普通ば次第にプレッシャーが高まってくるものだと思うんですけど……さすがですね。

中井 もう大丈夫って思えてきました。私ならできる気がする!って(笑)

――中井さんは1月にTDCで開催されたNGT48の単独コンサートのとき、大好きな渡辺美優紀さんの「わるきー」を「わる姫ー」として歌っていました。そのときのファンのリアクションを受けて、ようやくアイドルとしての自分に確信を持てたそうで。

中井 私が「わるきー」の衣装でステージに出ていったら、イントロが始まった瞬間ファンの皆さんがめっちゃ盛り上がってくれて。ステージに上がるまでは本当に夢みたいだなって思っていたんですよ。私がこの衣装を着られる日が来るなんて思っていなくて、本当に感動していて……だから、結構フワフワした状態でステージに向かったんですけど、実際にステージに立って歓声が聞こえてきたときに目が覚めたというか。「すごい!私が『わるきー』を歌えるんだ!」って思ったんです。そのときに「私はここにいてもいいんだ!」って。「私みたいな人間がNGT48にいていいのかな?」って不安に思うこともたくさんあるんですけど、あの瞬間に「ここが私の居場所なんだ!」って感じました。

――デビューからのこの1年、なかなか自信が持てなかった?

中井 いや、ずっとそうだったわけではないんです。私ってすごく負けん気が強いんですよ。周りの誰よりも存在感を出したいし「このコたちには負けたくない!」って思いが強いから、むしろ自信を持って活動していることのほうが多かったんです。ただ、ふとした瞬間に「私はいまここにいて誰かを笑顔にできているだろうか?」ってすごく考えることがあって。自分のなかで不安が大きなるにつれて、そう思うことが増えてきたんです。でも、「わるきー」を歌ったときのファンの皆さんの声援が「大丈夫だよ」って言ってくれているみたいに感じられたんですよね。

――非常に収穫の多いステージだったんですね。

中井 はい、TDCのコンサートは私のなかで大きなポイントでしたね。SHOWROOMとコラボさせていただいたり「わるきー」を歌うことができたり、今村さん(NGT484劇場支配人)や運営の方々も私のことをちょっとは認めてくれたのかなって(笑)

かとみなの強さ

――NGT48が始動したころ、センターには加藤美南さんと高倉萌香さんが君臨していました。そんな中で中井さんは「実力で上にいけることを証明したかった」と話していましたが、中井さんはこの1年どんなことを心掛けて活動してきましたか?

中井 すごく悔しかったんですよね。かとみな(加藤)と萌香を見ていて「別に私だってできるし!」とか「私だったらもっと上手いコメント言えたのに!」って思ったり(笑)

――アハハハハ。

中井 あとは並びを決めるときに自分の希望とは違う場所だったりとかして……それがすごく、すごく悔しくて。本当に「今に見てろよ!」って思っていて……あ、メンバーじゃなくて運営の方々にですよ(笑)

――どちらにしても問題あるような気もしますが(笑)

中井 推されるメンバーと、そうでないメンバーっているじゃないですか?それも分かるんですけど、自分は敷かれたレールというか、大人が書いたシナリオにただ流されていちゃダメだなって思いました。少しでも状況を変えようと、例えば公演で誰よも存在感を発揮できるように見せ方とかいっぱい練習しましたね。まぁ、だからといってすぐ状況が変わるほど甘くはなかったですけど(笑)、そんなときにSHOWROOMというすごく大きなチャンスが巡ってきて。そのSHOWROOMもただ楽しくやっていただけなんですけどね。でも、その楽しさっていうのは伝わるんだなって。当時劇場公演に出るときはもう必死だったんですよ。「あのコを越えたい、あのコを抜かしたい」って自分のことでいっぱいいっぱいで周りがぜんぜん早えてなくて。そういう部分がダメだったのかなってSHOWROOMをやることで気つかせてもらったところはありますね。何事においても楽しんでやることがいちばん大事なんだなって。

――先ほど「悔しい気持ちを全面に出してくれるメンバーがいると私もその気持ちに背を向けられない」と話していましたが、その言葉から即座に思い浮かぶメンバーはやっぱり加藤さんなんですね。中井さんにとっていまの彼女はお互いに刺激を与え合っている良きライバルという印象を受けますが、加藤さんが存在していたことによって自分が学べたことはなんでしょう?

中井 かとみなは自分の強みがなにかをちゃんと理解していて、それをここぞっていうときにちゃんと出せるんですよ。いちばん最高の状態をステージで出せるのがかとみなで、それは本当にズルいなって思っていて(笑)

――フフフフ。

中井 羨ましいなって素直に尊敬できる部分でした。そういった意味では、かとみなは本当に見せるときに見せられるアイドルなんですよね。私はNGT48のお披露目のときからセンターになりたいと思っていたけど、正直「かとみなだったらしょうがないか」と思えたし……うん、そういうふうに「かとみななら大丈キ」って周りから信頼されるオーラがあるんですよ。だから私もこのコにだけは絶対に負けたくないと思えたというか。最初から真ん中に立っていたコだから「このコにいつか追いついて迫い越すぐらいの存在感を出してやる!」と思っていました。

――その意気やよし、ですね。

中井 ただ、活動を重ねていくにつれて思ったことがあって。脇で自由にしているほうがのびのびとやりたいことがやれるし、このポジションでできることはたくさんあると思えるようになったんですよね。もちろんセンターになりたいという気持ちが少しもなかったわけではないですけど、どこのポジションにいても見ていてくれる人はいるから、結果的に自分がいちばん存在感を出していければそれでいいんだって。

――なるほど。

中井 あと、かとみなに関して言うと……私がデビューシングルのセンターに選ばれたとき、かとみなに「ごめんね」って言っちゃったんですよ。かとみなとは一緒にご飯に行くこともたくさんあって、そのたびに「センターになりたい、センターに戻りたい」という気持ちは聞いていて。そういうことがあったのと、ちょうど私が自信をなくしていたタイミングだったこともあって、かとみなに「ごめんね」って言ってしまって……いまにして思えば、それはやっぱり違うと思うんですよね。私がセンターに選ばれたとき、かとみながいちばん最初に「がんばってね、大丈夫だよ」って言ってくれたんです。ステージ上で私に手を差し伸べてくれたのは、一番悔しいはずのかとみなだったんですよ。それは、いままでセンターに立ってきた人の器がそうさせたんだろうなって思って。すごく悔しかっただろうし、自分が逆の立場だったらそういうことはしてあげられないだろうから、やっぱりかとみなは強いなって思いました。

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