大勢でワイワイするのは苦手だし、なにかと不運な出来事に見舞われがち。それでも、儚く揺れる花のように、井上小百合久保史緒里は生きている。いっさいの濁りがなく、ひたすら純潔に咲き誇る彼女たちだからこそ、わかりあえることがありそうだ。

森林が好き

――なんとなくですが、井上さんと久保さんには同じ匂いを感じたので、対談をセッティングさせていただきました。

井上 ありがとうございます。でも、初めて言われました。

久保 はい、初めてです。

――今日は雨のなかでの撮影でしたが、お2人ともどちらかと言うと「カラッとした晴天」よりは「しっとりした雨」の雰囲気がハマるイメージといいますか。

2人 ふふふ。

――声のトーンも似ていますよね。普段はあまり大声を出さない。

井上 体力を使うのが苦手で(笑)。この間、久保ちゃんが『乃木坂工事中』の企画でやっていた、急に「ワーッ!」って大声で脅かされるのがあったじゃないですか。

久保 あ、かくれんぼの。

井上 ああいう人が苦手なんですよ。

――そんな人います?

井上 いますよ。歩道を歩いていたら、うしろから自転車に乗った人がいきなり「チリンチリン!」ってベルを鳴らしてきたりとか。「車道走って!」って思う(笑)

久保 ふふふ。

井上 私は、なるべく自分の時間軸で生きているので……。

久保 私も自分の好きなように生きています。みんなが「ねぇねぇ明日遊びに行かない?どこに行きたい?」みたいな話をしているなかには、あんまり自分から行きたいとは思わないです。

――みんなとエンジョイしたい!とは思わない?

久保 ショッピングに行くくらいだったら、ひとりで森林に行きたいタイプなので(笑)

井上 一緒だ!うそー!?

久保 えっ?えっ?(感激の表情)

井上 ついこの間も、長野の山にひとりで行ってきたよ。

久保 おお〜!

――久保さん手が震えてますけど大丈夫ですか?(笑)

久保 うれしくて。

井上 うんうん。

久保 それこそ、都会って大きい音が流れてるじゃないですか。

――漫画喫茶の宣伝トレーラーとかが爆音を流して走っていますよね。

久保 そういうのが地元にはなかったのでビックリしちゃって。だったら、電車でちょっと遠くまで行って、静かなところでゆっくり体を癒やしたいです。だから、よく「イマドキの子じゃない」って言われます(笑)

――ひとりのほうが楽ですか?

久保 そうですね。誰かを誘うことによって、その人の時間が私の時間になっちゃうし。その人はもしかしたら、なにかほかに違うことをしたかったかもしれないのに、付き合わせてしまうのも申し訳です。誘った私も気を遣ってしまって、それで体力を……。それだったら、ひとりでいるのがいいかなと思ってしまいます。

――井上さんも誰かを誘うくらいなら、ひとりで自由に行動したい派ですか?

井上 でも、人からの誘いは断らないですよ。誰かといるのも好きです。ただ、大勢になるとちょっと苦手です。

――たとえば、50人くらいが集まる打ち上げとか?

井上 あぁ〜苦手!「打ち上げ」って言葉を聞くだけですぐに帰りたくなる(笑)

――グラスのストローを所在なげにかき回す井上さんの姿が思い浮かびました(笑)。バーベキューはどうですか?

井上 めっちゃ苦手です。そもそも、そんなオシャレな遊びを知らない。映画館もカラオケもないところで育ったので。

――久保さんも「人生で一度も花火をやったことがない」という噂を聞きました。

久保 ないです。私の場合、一緒に行く行かない以前に誘われない(笑)。イジメとかじゃないんですけど、部活の仲いい子たちが「みんなで花火大会に行ったよ」っていうのをあとで知るタイプで。みんな浴衣を着て行ったらしいんですけど、まったく知らずにいて。「花火大会ってなんだ?」って(笑)。誘われたら行くと思うんですけど。

――井上先パイ、ぜひ誘ってあげてください!

井上 私も花火大会行ったことない。

久保 ふふふ。

井上 昔は、地元の花火大会があったらしいんです。でも、なんか花火が暴発して、山が燃えちゃったらしくて。

――山火事で。

井上 それ以来、花火大会が開催されなくなっちゃって。遠くの町で「びょーん」みたいに小さく打ち上がっているのは見たことあるんですけど。

ハードラック

――いまの話もそうなんですけど、お2人の共通点として、自虐トークが面白いところが挙げられると思います。

2人 ふふふ。

――久保さんの自虐も最高で、重い腰を上げてやっとピザ屋に行ったら営業時間外だったとか、牛丼屋で自分が注文したものが来ないとか。

井上 すごい(笑)

久保 本当にそういうことばかりで。私が電車に乗っていたら、隣の人が電車とホームの隙間にスマホを落としちゃって「あ、ヤバイ壊れた!」って言ってて。たぶん私が乗ってたからです。

井上 たまたまだよ(笑)

――さすがにそれは偶然ですよ!

久保 いや、たぶん私がいたから落としちゃったのかなぁ……って。

――井上さんもわりとそういう工ピソードに事欠かない人ですよね。

井上 私はバカなので。だから、たぶん日常生活で失敗ばっかりするんだと思います。

――ドジってことですか?

井上 うーん、そんな可愛いものじゃないですけどね。たとえば、映画を観に行ったときも、チケットを買って何番シアターに入って。けっこう早く着いたので予告も全部見て。で、いざ上映がスタートしたんですね。そしたら、銃を持った男の人がビルの屋上から狙っていて、人を殺していくシーンから始まったんです。なんかテイストが違うなぁ……と思って。しかも、アニメ映画を観に来たはずなのに、海外のグロい感じの映画で。

――あれ!? 実写だぞ?って(笑)

井上 でも、こういうシーンから始まるんだ、すごい斬新!私、こんなの初めて観るかもしれない!と思って、10分間くらい観ていたんですよ。

――まさか……。

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