先月、公表のなか幕を閉じた舞台『じょしらく弐〜ときかけそば』。今回は「チームご」の3名に千秋楽を迎えるまでの葛藤、その中から生まれた5人の絆を振り返ってもらった。掴めるようで掴めない、「チームご」の不思議な魅力。

若月が『じょしらく弐』に立候補した意味

――今回は『じょしらく弐』の特集で、「チームご」の中でも熱い3人に話を伺いたいなと思いまして。まず、若月さんが立候補したことが意外でした。

若月 私がいままでやってきた舞台はシリアスな作品ばかりで、笑いをテーマにしたのは『16人のプリンシパルtrois』だけだったんです。この時もお芝居自体は楽しかったんですけど、配役を決める際のコントに苦戦して、私にとって「笑い」がひとつの壁になっていたんです。自分にできるかなという迷いはあったんですけど、『じょしらく』をきっかけに壁を壊せたらいいなと思って立候補しました。

――「チームご」は2期生が3人いましたが、自分にできることは教えたいという気持ちはありましたか?

若月 「ここはこうしたほうがいいよ」とはあえて言わないようにして。自分がそこまでの立場じゃないというのもあるし、「メンバー一人ひとりから何かをいただこう」という気持ちで臨んでました。私から唯一言ったのは「体の向き」ですかね。日常の会話なら相手を向いていいけど、舞台では顔が見えないともったいないので。

――北野さんはきくちゃん(波浪浮亭木胡桃)を演じたくて立候補したんですよね。

北野 はい(笑)!オーディションで「きぐちゃん以外の役をやってみて」と言われても「きぐちゃんがやりたいんです」と主張して。それでも手寅のセリフを読んだけど、「やっぱりきぐちゃんなんですよね」と言いました(笑)。

――山崎さんが立候補した理由は?

山崎 前作で私が演じた暗落亭苦来はテンションが低くて自虐的で、極度にマイナスな役じゃないですか。逆に、破天荒でポジティブな役をやってみたいと思って、まりい役を希望しました。ただ、他のまりい役が井上小百合さんと能條愛未さんという、演技が得意で一人でも舞台に立っているメンバーなので、比べられることへのプレッシャーは感じてました。

――自分を持ってるメンバーが多いからまとまるのは難しいんじゃないかと思いましたが。

若月 確かにそうで。スタッフの方から「チームご」は個人の力があるから、ハマった時にはすごい強いチームになるはず。ただ、まとまるのは難しいと思うから、そこをがんばってほしいと言われてました。

北野 「チームご」はそれぞれが100のちからを持っているのに、足してもなかなか500異常にならなくて。「このチームで大丈夫かな」と思った時期もありました。私自身はきぐちゃんを楽しく演じられるけど、ひとりで突っ走ってもしょうがない。みんなが気持ちを通じあわせないといい舞台にならないのにって。セリフはポンポン飛び交うんだけど、相手のセリフを頭に入れずにしゃべってるから、会話劇なのに会話になってないんですよ。私自身も自分のリズムでセリフを発していたので、まわりよりもテンポが早すぎてしまって。ゲネの時間も他のチームより早く終わったんですよ。

若月 そこは本番前後の打ち合わせを重ねるうちに、いいチームワークが生まれてきました。誰かひとりじゃなくて、それぞれが意見を出しあっていたので「いいチームだな」と思いましたね。『じょしらく』は合わせることの大切さを再認識させてくれました。

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