チーム8史上一番忙しい夏を過ごし、初めての単独舞台を乗り越えた谷川聖。自称・ぽんこつの彼女だが、舞台上の彼女の「絢爛」で「爛漫」な演技にはそんなぽんこつさは皆無。遠く離れた北の大地からセンターを目指す、彼女の前に広がる野望がここに。

ハードル超えの大一番

今回どうして谷川さんにお声をかけたかといいますと、舞台『絢爛とか爛漫とか』を拝見したからなんですよ。素晴らしかったです!

谷川 ありがとうございます。

――気持ち悪いことをいいますが、舞台上の「まや子」に恋しましたよ!

谷川 ハハハ!まや子は高級車に乗るようなお嬢様なんですけど、そう見えましたか?

――完璧でしたよ。

谷川 そもそもなんですけど、どうして私が6人という狭い枠に選ばれたんだろうと思ったんですよ。

――舞台はチーム8の4人が出演しますが、Wキャストが2役ありましたから、合計6人でしたね。どうして不思議に思ったんですか?

谷川 それは、私にぽんこつのイメージがあるからです。

――やっぱり(笑)

谷川 だから、お話をいただいた時は本当にびっくりして。

――演技自体、初めてなんですよね。

谷川 はい。どうすればいいのかすら、わかりませんでした。とにかくセリフを頭に詰め込んで……あ、でもそのせいで、学校のテストで覚えることが全然頭に入らなくて。

――キャパを超えましたか(笑)

谷川 空きスペースが全然なくなりました。稽古は、まず声を出すことから始めました。やっぱり声が小さかったんです。しかも、舞台が円形で、360度から見られるレイアウトだったので、余計に緊張していました。でも、最初の舞台でこういうレイアウトを経験できてよかったです。

――とても初めてとは思えない演技でしたが、評判はいかがでしたか?

谷川 ぽんこつイメージのせいで、みなさんハードルを下に設定していたみたいで(笑)。握手会では、「全然期待していなかったんだけど、予想を超えてた」という感想が多くて。

――前半部分はいらないですよね(笑)

谷川 でも、今までの私の印象と全然違ったと思っていただけたみたいです。最初は、ショートカットのお嬢様なんて演じきれるのかと不安だったんですけど。

――見事でしたよ。

谷川 だけど、初日にセリフが飛んじゃったんですよ!ちょっと間があいちゃって……。なんとか思い出して続けたんです。

――そうだったんですね。演出家の赤澤ムックさんは稽古などでどのように接してくれましたか?

谷川 怖そうな方だなと思っていたんですけど、すごく優しい方でした。舞台初心者ばかりだから、みんな全然できなかったんですけど、すごく丁寧に教えてくださいました。打ち上げでは、「私はプロにしか怒らない。次に会うときは私に怒られるくらいに成長していてください」と言われました。だから、もっともっと成長して、またお会いしたいと思いました。

――また舞台に出たいですか?

谷川 出たいです!すごく楽しかったので。

――完走した後、充実感があったんじゃないですか?

谷川 泣きました。すごく泣きました。打ち上げの時、赤澤さんからひとりずつコメントをいただいたんです。私は佐藤七海(=岩手県。谷川とWキャスト)みたいにアドリブが上手くないんです。一歩ずつ、のタイプだと思うから舞台の袖でこっそり練習していたんですけど、「ひとりで練習している姿、見ていたよ」と赤澤さんに言われて、6人の中で最初に泣きました(笑)。努力してよかったと思いました。

――チーム8は結成して2年半ですけど、その中でもトップクラスのすごい経験だったのでは?

谷川 そうですね。一番といってもいいかもしれません。これを機に、演技のお仕事にも興味を持つようになりました。今まではモデルさんになりたいと思っていたんですけど、今回の舞台と、リーディングシアター『恋工場』に出させていただいて、演技をすることの面白さに目覚めました。

イントロで静止

――チーム8のファンの方にはぽんこつキャラでおなじみですけど、そんなにぽんこつなんですか?

谷川 いや、私は意識してぽんこつなわけじゃないんですよ。

――みなさん、同じことをおっしゃいますよ(笑)。最近のぽんこつエピソードって何かあります?

谷川 そうだなぁ。昨日の握手会で机の上でサインをしていたら、ファンの方の名前を間違えるわ、勢いがつきすぎて机にサインがはみ出るわ……。

――感覚でわかるじゃないですか(笑)

谷川 私の机だけマジックの黒い線が何本も付いちゃって。

――買い取りでお願いします。

谷川 でも、ぽんこつエピソードはたくさんありすぎて何を言えばいいのか……初期でいえばやっぱりダンスですね。全然踊れなくて。

――初期の自分はチーム8の47人中何番目くらいだと思いましたか?

谷川 長久玲奈(=福井県)ちゃんもぽんこつなんですけど、私のほうが勝っているなと思ったので、46番目ですね!

――自慢にならないですよ(笑)。向こうも同じことを思っていると思いますけど。

谷川 絶対思ってます!

――でも、長さんはギターが上手ですからね。

谷川 あー、そっかー!だけど、私は舞台をやったので、その部分で一歩リード、ってことで!

――で、現時点ではダンスで言うと何番目になったと思いますか?

谷川 今は……38番目くらい?

――8人抜きましたか(笑)

谷川 舞台と同じで、一歩ずつ進むタイプなんです!

――初期のレッスンはキツかったですか?

谷川 誰かに見られていることがとにかく恥ずかしくて。振り付けの先生や他のメンバーの前で踊らないといけないじゃないですか。へたくそなのは自分でもわかるから、ずっと下を向いていました。ライブでも下を向いて踊っていたんですよ。たぶん暗い子だと思われたはずです。観られているという意識も低かったですね。

――相当練習しないとみんなに追いつかないですね。

谷川 家の鏡が小さかったので、おじいちゃんに大きな全身鏡を用意してもらって、それで自分の部屋で練習しました。最初はその鏡を見ながら踊るのが苦痛だったんです。「もー、見てられない」と思って、練習を放棄した時期もありました(笑)。そういえばこの間、初期の映像を見なおしたんですけど、『言い訳Maybe』のレッスンでイントロで長と私が静止したんですよ。

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