約5年という長きにわたってキャプテンとしてグループを引っ張ってきた桜井玲香。そんな彼女が悩みにぶつかったとき、そばには必ず両親の存在があった。

車から降りない私を優しく諭してくれたお父さん

――ご家族とはどんな関係ですか?

桜井 仲はいいですよ。休みの日は3人でご飯を食べることもありますし、家にいればずっと3人で喋っています。私はひとりっ子なので、どうしても濃密な関係になるんです。

――どんな話をしますか?

桜井 ウチは基本的になんでも話すんです。何も隠し事はしません(笑)。今年の夏、私は体調不良だったので、ツアーを一部お休みすることになりました。久々にずっとおうちで静養していたんですけど、その間いろいろ聞いてもらいました。最近起きたこと、うれしかったこと、弱音……。話すことによって気持ちが楽になるんです。

――深い話をすることも?

桜井 はい。でも、真剣に会議をするわけじゃなくて、リビングでなんとなくテレビを見ながら、ということがほとんどです。雑談しながら自然と乃木坂46の話題になるんです。基本はお母さんに相談することが多いんですけど、その内容はすべてお父さんに筒抜けで(笑)。お母さんは心配症だから、内容によってはお父さんにだけ相談することもあります。お父さんは冷静に意見を言ってくれるタイプなので。

――お父さんとの思い出は?

桜井 お父さんが車で毎日送り迎えをしてくれていたんです。ある朝、お仕事に行くとき、目的地に着いたのに私は車から降りようとしなかったことがありました。たぶん日々の疲れが溜まっていたんでしょうね。私は仕事に行きたくないと思ってしまった。「降りたくない」「行きたくない」を繰り返して、お父さんを困らせてしまいました。車内は重い空気に包まれました。そんなときもお父さんは怒ることもなく、優しく諭してくれました。

――そんなことが会ったんですね。

桜井 お父さんもキツかったはずなんです。私の仕事が何時に終わるかわからないから、ずっと車で待っていないといけない。そして、翌朝早く私を仕事現場まで車で送らないといけない。そんな毎日はお父さんの睡眠時間を削ってしまい、お仕事にも影響が出ていたみたいです。しかも、運転しないといけないから、好きなお酒を飲むこともできないわけです。でも、愚痴は一切言いませんでした。そんなことを考えていたら、私も仕事に行かないと行けないんじゃないかって思えて、仕事に向かいました。あぁ、お父さんに悪い子としたな……。

――ご両親のどちらに似ていますか?

桜井 ふたりに似ています。足して2で割ると私になります。背格好やしぐさはお母さんにで、ライブ会場に来ると、「あっ、桜井の親だ」と直ぐにバレます(笑)

――お母さんはどんな方?

桜井 さっきも言ったように、すごく心配性。自分の娘なんだから当たり前なんですけどね。お母さんに相談すると、必要以上に心配してくれることが多いです。基本的に、お母さんにはなんでも話します。私はそうすることで自分の頭を整理しているんです。私はあのときに泣いたけど、こう思っていたから泣いたんだなって。

――キャプテンならではの苦悩があると思います。『NOGIBINGO!5』の最終回ではお母さんからの手紙が読まれ、「キャプテンの在り方について一緒に考えて泣いたね」と書いてありました。

桜井 そんなこともありましたねー(照)。「なんで私がキャプテンなの?」と当たったこともあったし、「どうしていいかわかんない!」と愚痴をこぼすこともありました。「この子は今こういう状態なんだけど、何を考えているんだと思う?」と冷静に相談することもあります。母は娘に何があったか知っておきたいタイプだから、いろいろ聞いてくれるんですけど、「そんなこと言われても……」という相談もあるでしょうね。

――反抗期はありましたか?

桜井 極端なのはなかったけど、何を聞かれても「うるさい!」みたいなことはありました。何を聞かれても口を聞かず、すぐ部屋に閉じこもっちゃう。今でもそういうことはあります。

――今は仕事の話をすることが多いですか?

桜井 そうですね。私には仕事しかないんです。生活の中でほかに何もないんです。高校時代の友達と遊ぼうとしても、なかなか休みが合わなくて、「ごめーん、今日は名古屋なんだ」みたいな。だから、必然的に仕事の話になりますね。私が連絡しないと、向こうも連絡してこないようになりました。最近はいい距離感を保ててると思います。でも、突然私が電話して、わーって愚痴をこぼして、「そんなのわかんないよ」って言われるから、「もういいよ!」と私から一方的に電話を切ることもありますけど(笑)。私は相談を聞いて欲しいだけじゃなくて、答えを求めるタイプだから。

――そもそも芸能活動には賛成だったんですか?

桜井 反対はされていません。好きなことをやりなさいというタイプで、むしろ頑張れって背中を叩いてくれるので。入るまでは、この世界に憧れていることをなかなか言い出せなかったんですよね。恥ずかしくて。リビングで音楽番組を見ながら、「あー、いいなぁ」なんてつぶやいて、それとなく伝えようとしていたんです。私は伝わっているものとばかり思っていたけど、全然伝わってなくて(笑)。乃木坂46のオーディションを受けたいと伝えた時はビックリしてましたね。

最近、史上最大のケンカがありました

――思春期には両親と距離ができるものですが、桜井家は?

桜井 そういうの、なかったんです。ウチは女子校だったから、男子とどうこうということがなかったから、隠し事がなかったんです。バイトもしていなかったから、学校と家を往復するだけで、親からすれば超いい子だったんですよ。

――ケンカもしないですか?

桜井 ケンカかぁ……。小さいのはしょちゅうしていますけど、大きいのが最近ありました。

――最近!?何があったんですか?

桜井 まぁ、どうしてケンカしたのかは言えませんけど(笑)。あの日は親を困らせてしまいましたね。悩んでしまって、どうしたらいいかわからなくなるときってあるじゃないですか。自分のこの気持がどうやったら伝わるのか、どうアピールしたらいいんだろうって考えて、そういうことになってしまったんです。

――そういう経験は初めてでしたか?

桜井 なくはないですけど、なんだか申し訳なくなっちゃって……。ふたりの人生にこんな瞬間を作ってしまった。なんてことをしてしまったんだ……と思って。

今でもプレゼント交換をする良好な関係

――普段、親孝行は意識していますか?

桜井 誕生日には好きな物を買ってあげるようにしています。最近だと、おかあさんが コートを欲しいと言っていたので、父とふたりでプレゼントしました。お父さんの誕生日にはお財布を買ってあげたりとか。

――いい娘じゃないですか!逆に、プレゼントをもらうことは?

桜井 それが、ウチはいまだに誕生日プレゼントをくれるんですよ。外食をすることもあるし、父が絵をプレゼントしてくれたこともあるし。

――絵画の誕生日プレゼントですか?

桜井 はい。ウチの両親は、笹倉鉄平さんの絵が好きなんです。結婚記念日に買った絵がウチに飾ってあるんですけど、家族みんな笹倉さんのファンなんです。それで私にも1枚買ってくれました。

――そのエピソードだけで温かい家庭が思い浮かびます。

桜井 基本は仲良しですから。でも、思うんですよ。夫婦ってホントによくできてるなって。我が家は、お母さんがわがままを言って、それをお父さんが黙って聞いている、という感じなんです。お母さんはお父さんを頼っているからこそわがままを言える。頼るといっても、お父さんのほうが6歳若いんですけどね。職場結婚だったんですけど、お母さんはいい人見つけたなって(笑)。お母さんはちょっと抜けているところがあるから、それをお父さんが優しく訂正するみたいな関係です。お父さんが実権を握っているわけでもなくて、平等な関係性です。

――「ちょっと抜けている」といえば、誰かと似ていますね。

桜井 やめてくださいよ(笑)。否定はできませんけど。

――では、将来は御父さんみたいな人を見つけたいとか?

桜井 いや、それは思いません(キッパリ)。私はどちらかというと、明るくて、よくしゃべってくれて、しゃきっとしている人がいいな。ウチのお父さんは、お父さん感が足りない(笑)

――でも、なんだかんだで感謝はしている。

桜井 それはもちろんです。愚痴を聞いてくれるお母さん、送り迎えをしてくれたお父さんには頭が上がりません。いつもは言えないけど、ここでなら言えるかも。お父さん、お母さん、わがままな娘ですが、これからもよろしくね!