アイドルシーンの枠組みを越え、今年、音楽界に広くその名を轟かせた欅坂46。11月30日発売の3rdシングル「二人セゾン」では、フロントメンバーをほぼ一新し、まだ変化し続ける攻めの姿勢を印象づけた。そこで、フロントに立つ7人のメンバーを直撃。グルーブの”芯”を形作っている3つのテーマで座談会を行った。
Theme1 欅坂46とダンス
世界的ダンサー・TAKAHIRO氏が振り付けを手掛ける欅坂46。そのクールでオリジナリティあふれるダンスは、今やグループの象徴ともなっている。まずは、3rdシングルで重要な役割を果たしている3人が登場!
『ニ人セゾン』を構成する3つのダンス
――この3人には、欅坂46のパフォーマンスのもっとも重要な要素”ダンス“についてお聞きしたいと思います。新曲『二人セゾン』では、今までとはまた趣の違うダンスに挑戦していますね。
鈴本 そうですね。今まではパキッ、パキッとした動きが多かったんですけど、今回はしなやかな動きが多くて、また新しいものなんです。
齋藤 振り付けをしてくださったTAKAHIRO先生日く、「クラシックバレエ、モダンバレエ、コンテンポラリーダンスっていう3つの踊りを組み合わせた独自のダンス」だそうです。それを聞いた時は、「すごい!」って鳥肌が立ったんですけど、私と鈴本は振り入れで撃沈しました(苦笑)
鈴本 私やふーちゃん(齋藤)がやってたヒップホップやジャズダンスとは、根本的に動きが違うんですよね。ほとんどのメンバーが苦戦してたんですけど、しーちゃん(佐藤)は明らかに動きが違ってて、すごくキレイでした。
佐藤 私は4歳のころから12年間、クラシックバレエをやってきたので、その動きが染み付いてるんです。欅坂46でダンスレッスンを始めたころは、「バレエでやってたことは忘れなさい」って言われたので、ふーちゃん(齋藤)や美愉ちゃんの踊りを参考にしてたんですけど……。今回は自分の得意分野のダンスが来たので逆に私がちょっとアドバイスしたりしてます(笑)
――具体的に、バレエの動きのボイントってどういうところなんですか?
佐藤 ”溜め”とか”引き”を大事にするところですね。ギリギリまでゆっくり溜めて動いて、バッと次にいくっていうイメージです。その動きに抑揚があればあるほど、うまく見えるんです。
齋藤 同じリスムで踊ってるはずなのに、ヒップホップ系とはリズムの取り方が違うんですよね。なんていうか、しーちゃんはリズムのギリギリまで動いてる感じで。
鈴本 全ての振りが指先まで意識てきてるし、ターンするときも体の軸がブレないんですよ。だから、しーちゃんのことを純粋に「すごいなー」と思って見てました。
――佐藤さんと齋藤さんは初めてのフロントボジションとなりますが、どうですか?
齋藤 昨日、歌番組の収録があったんですけど……ふたりで泣いちゃったんだよね?
佐藤 うん。「完壁に踊りたい」って気負いすぎて、表情がぜんぜんダメになってて……。力メラに抜かれるところも意識できてなかったし。
齋藤 私もぜんぜんダメだった。あとで100回くらい自分の踊ってるところを見返して、ダメなところをぜんぶスクショしたもん。今回、私がフロントに選ばれたことに納得してない方もいると思うんですけど、自分が認めてもらうためにはやっばりパフォーマンスしかないと思うんです。単純にダンスのうまさだけじゃなくて、テレビに写ったときの表情とか、ひとつひとつを大事にしていきたいです。
――鈴本さんは、1stの「サイレントマジョリティー」ではフロント、2ndの「世界には愛しかない」では2列目、そして今回はまたフロントに戻ってきました。
鈴本 たぶん、1stのときは自分のことに精一杯すぎて、ぜんぜん周りが見えてなかったと思います。でも、2ndで初めて周りで踊ってる子たちの姿が見えるようになったから、今回は1stのときとはぜんぜん意識が違います。
齋藤 でも、1stのフロントってみんなすごいよ。偉大だよ! だって、”モーセの十戒”のところで立ってるんでしょ!?
佐藤 そうそう。私たちは3rdでこんなにプレッシャーを感じるのに、デビューシングルでMV撮影も歌番組も初めてっていうときにフロントに立ったって、すごいよ。
鈴本 ありがとう(笑)。あのときは、まだ何もわからないときだったからこそ、「やるしかない」って気持ちでできたんだと思う。
「ダンスが力ッコいいグループ」であるために
――「サイレントマジョリティー」以降、「欅坂46のダンスはすごい」「バフォーマンスがカッコいい」と言われるようになりましたね。
齋藤 自分たちでは、どう思われてるのかわかんないんです。
鈴本 だよね。
佐藤 でも、私、前にTAKAHIRO先生のアシスタントさんから聞いたことがあるの。TAKAHIRO先生は、私たちにいろんなジャンルのダンスを知ってもらって、成長してもらいたいって思ってくださってるんだって。実際、シングルによってぜんぜん違う振り付けをしてもらってるから、この1年はすごく勉強になったと思う。
――確かに、シングルごとにここまでガラッと振り付けが変わるグループは、まずいないですよ。自分たちの成長は感じますか?
齋藤 感じます。私、いまだに去年の10月ごろのレッスン動画を見返えしているんです。
鈴本 えー!? 何やってんのー!
齋藤 昔と今を見比べると、みんなの成長ぶりがすごいんですよ! お風呂で動画を見ながら、「がんばってきたなあ」って泣いちゃったりして……。もう、みんなが超いとおしい。
鈴本 いやだー!(赤面)
佐藤 ふふふ。
――ダンスという面での今後の抱負を教えていただけますか?
齋藤 私は、何年たってもキレイに揃ってるダンスを踊っていたいです。今、「みんなで揃えていこう」っていう意識がすごくあるんですけど、時がたってもこの気持ちを忘れたくないです。
佐藤 私は、「アイドルなのにダンスが力ッコいい」って言われるようになりたいですね。アイドルってかわいいイメージがあるけど、「力ッコいいアイドルもいいんじゃないかな」ってずっと思ってたので。
鈴本 私も、「サイマジョ」みたいなカッコいいダンスを踊っていきたいです。どちらかというと、力ッコいい曲をたくさんやりたい……。
齋藤 何いってんのー。笑顔が一番かわいいくせにー(ニヤニヤ)
鈴本 やだー!(顔を隠す)
佐藤 あはは(笑)。あと、街中で踊ったりしたら楽しそうじゃない?
鈴本 あ、渋谷のスクランブル交差点とか!?
齋藤 それいい! がっちり揃えて、見てる人をビックリさせたい!