生駒里奈は、いつどこにいても乃木坂46の顔だ。事実、バラエテイや歌番組では彼女が前に立ったり、センターを務めることも少なくない。乃木坂46をあまり知らない人は、彼女がずっとセンターだと思っている人もいるだろう。初代センターとして、そしてこれからも乃木坂46の顔としての役目を果たしていくであろう彼女の、「今」の声を聞く。

与えられた仕事に全力を尽くすというのは当たり前

――いまの乃木坂46に対して生駒さんはどんなスタンスなのかお聞きしたいです。

生駒 うーん。なんでしょう。自分が前に立って……というのは、言葉は悪いかもしれないけど、「つまらないな」と思って。

――そう思うようになったのは、2015年夏の『太陽ノック』のセンター期間が終わってからですか?

生駒 いや、『太陽ノック』の時点ですね。ここでセンターをやらせてもらったので、今後、間をおかずにセンターをやっても面白くない。「生駒ちゃん」が好きな方はうれしいかもしれないけど、センターになるパターンをいくつも見てきたアイドルを好きな方なら面白味を感じないはず。アイドルとしては短期間でいろんなことを体験させてもらったので、自分は何ができるだろうと考えたら今はサポート役なのかなって。ただ、2015年の今頃はまだ支える力がなかったけど、見方や考え方を変えたことで落ち着いたのが2016年だったと思います。

――「つまらない」というのはグループとして?

生駒 それもあるし、自分もつまらないなって。AKB48との兼任期間が終わって乃木坂46に帰ってきて、センターになった時に溜めていたことを爆発させようと思っていたんです。だけど、すぐにセンターに立たせていただいて。うれしいことなんですけど、個人的には今後はセンターをやるだけじゃ面白くないなと思ったんです。

――ただ支えるにしても力がなきゃいけない。

生駒 そうですね。テレビに出演させていただく機会は多いし、兼任でいろんなことを学んできたので、もし悩んでる子がいれば「こう考えればラクになるかもよ」と声をかけることで前を向いてくれたらなって。

――生駒さんは外番組に出ることは多いですよね。

生駒 与えられた仕事に全力を尽くす、という当たり前のことをするだけ。乃木坂46の生駒里奈さんと紹介される以上、私の振る舞いが乃木坂全体のイメージに影響を及ぼすし、他のメンバーもそうだと思うんです。

――世間一般の見方としては乃木坂46の顔という認識が強いと思います。

生駒 乃木坂46の名前を知ってるおじいちゃんやおばあちゃんに「センターでしょ?」と言われたこともあって。そう見られることはありがたいし、個人的には強みにしたいと思ってます。

下手だからダメじゃなくて「やるかやらないか」の気持ち

――2016年の乃木坂46は、6月に行われた深川麻衣さんの卒業ンサート以降、8月31日まで全国ツアーが、9, 10月はそれぞれの舞台が、11月にシングルの発売があって、12月に武道館5daysと、だいぶ過密だったんじゃないかと思います。

生駒 そうですね。ほとんどのメンバーが他の仕事と並行しながらライブや舞台をこなしてました。2年前や3年前だったらできなかったろうし、みんなよく頑張ったなと思います。

――結成当初は劇場もなくてライブも少ないグループと思われていたけど、いまやアイドル界でも屈指の観客動員数が多いグループになりました。

生駒 他のアイドルグループは劇場がないのが普通で、AKB48がシアターを作って流行を生んで。その公式ライバルとして生まれたグループなので、劇場がないのは不自然に思われたかもしれない。だからこそライブのスキルをあげなきゃいけないと考えてました。おこがましいけど、夏にシングルを引っさげたツアーをして、「今年もありがとう」と年末にライブで締めるという形はアーティストさんだと普通のことだと思ってます。乃木坂46はその形がやっとできるようになったんじゃないでしょうか。スキルが上がりきってない状態で箱が大きくなっていく恐怖はあったけど、舞台を経験したメンバーはそこで見せ方を学んで、アンダーライブを重ねて鍛えられたメンバーがいて、そうしたことの集大成が全体のライブになる。それがいまの乃木坂46のライブのつくり方なのかなって。

――以前の取材で北野さんが「生駒さんと西野さんはリハでも熱い」と言ってました。

生駒 リハでできないことが本番でできるとは思えないですから。アイドルって”いま”が一番忙しいから、その”いま”を疎かにしちゃダメなんですよ。それに、映像を観ただけじゃ覚えられない。みんなで動きを合わせないといいモノって作れないんです。音楽や映像を大切にしている乃木坂46だから、それと同等のクオリティのパフォーマンスができるようにしなきゃいけない。段々と形にはなってきてるけど、もっとできるんじゃないかと思うんです。「アイドルは下手でも愛橋があればいい」とか、それも分かるけど、見せる側としてはやらなきゃいけないんじゃないかなって。

――結果として「綻び」が「かわいさ」につながることはあっても、演者としては高い意識を持ってほしいと思います。

生駒 そうですね。下手だからダメじゃなくて、「やるかやらないか」の気持ちだと思うんです。

自分がやってきたことは間違ってなかったと思えた

――『サヨナラの意味』の特典映像に収録されてましたが、「真夏の全国ツアー」ではセンターの齋藤飛鳥さんを支えてました。

生駒 といっても不安そうに見えた時に「大丈夫?」と声をかけたくらいです。飛鳥は若いけど、乃木坂46を5年やってるので「やりきることが出来るだろうな」とは思ってました。

――仙台公演では最後のMCで飛鳥さんが生駒さんに感謝の言葉を贈ってましたね。

生駒 自分がやってきたことは間違ってなかったと思えてすごくうれしかったです。いくら真剣に取り組んだところで、伝わるのは0.1%あるかないかだと思うんです。それでも伝わったんだなって。そう実感することができました。

――生駒さんは同じ坂道シリーズとして欅坂46と一緒に何かをしたいという想いはあるんですよね。

生駒 なんで欅坂46が出来たんだろう、という話じゃないですか。できたからにはやるしかないと思うんです。番組で46メドレーの時間がいただければうれしいですし、欅の曲も評判がいいので、坂道シリーズの良さをアピールできればいいなって思っています。

――ただ、7月の「FNS歌謡祭」で「サイレントマジョリティー』をセンターで披露した時は、まわりの評価に違和感があったそうですね。

生駒 しばらくセンターで踊ってなかったし、得意な曲調だったのでみなさんにもいい印象があったと思います。お祭り企画で「いつか踊りたい」と思っていた曲に参加できて楽しかったし、ありがたいなという気持ちはあったけど、それしかないんです。

――神宮球場3daysにミリオン出荷……大きくなった乃木坂46の今後の展開は難しいんじゃないかと思います。

生駒 まったくおごることはないし、2017年は新しいことに挑戦して「この試練は乗り越えられないんじゃないか」という危機感を持ちながらメンバー全員で頑張っていきたいです。