フ口ントメンバーとして乃木坂46を引っ張り続け、『CanCam』の専属モデルとしても活躍してきた橋本奈々未は昨年10月に、今年2月の卒業と引退を発表。同じ1期生で、ともに女性誌の専属モデルを務める白石麻衣、松村沙友理の3人が激動の2016年を振り返る。

白石 まいまい(深川)の卒業ライブはとにかくかわいかったです。笑顔で送り出したかったけど終わりはやっぱり寂しくなって。感動もあったし、これからの乃木坂46につながるような大事なライブになりました。

松村 ファンの方々もメンバーも寂しいけれど、最後だから楽しもうとしたし、そうできたんじゃないかなって。

橋本 いい形でまいまいを送り出したいと誰もが思っていました。

松村 その後に続いた「真夏の全国ツアー2016」では、サイリウムを「この色にしてください」と声がけして、今までで一番ファンの方と一緒に楽しめた感覚がありました。

橋本 そうだね。あと、ツアーは日本各地でのケータリングが楽しみで(笑)。大阪はたこ焼き、仙台なら牛タン、博多なら明太マョご飯がおいしかった。

松村 うん。うん。

白石 ツァーの締めは明治神宮野球場でしが、今までは冬だったのに、初めての夏の「BIRTHDAY LIVE」だったので新鮮に感じました。天候にはあまり恵まれなかったけど……。ファンの皆さんは大変だったと思うけど、だからこそ印象に残るライブにもなったのかなと。

松村 「BIRTHDAY LIVE」の直前が福岡公演だったので、福岡ではライブの初日が終わった直後にリハーサルをしました。限られた時間のなかでも、みんな自分の役割をちゃんと分かっている雰囲気で、責任感を持っているなと感じました。

センターを経て飛鳥は大人に

「真夏の全国ツアー2016」では、3人の同期の1期生で、最年少ながらセンターを務めた齋藤飛鳥の成長を見て頼もしく感じたという。

白石 飛鳥がセンターの曲『裸足でSummer』を掲げてのツアーだったので、最後の挨拶も飛鳥がしっかりと務めました。夏曲ならではの飛鳥らしい、楽しい感じのセンターだったと思います。

橋本 13歳で飛鳥は入ってきたけど、今は18歳になってしっかり大人になったなって。結成間もない頃にみんなで書き初めをして、年長組の私たちはサラサラっと書いて終わっちゃったけど、飛鳥は「何を書けばいいか分からない」と悩んで最後まで残っていたことを良く覚えています(笑)

松村 飛鳥の成長には年月の流れを感じました。もう5年がたったんだなって。『sweet』を見ると、読者層は飛鳥より年齢が高めなのに、そのなかで自分の色をちゃんと出せて立派だなと思う。最近のインタビューで「周りがお姉さんばかりだから、早く大人になりたい」と言っていましたが、それを近くで聞いて、「そのままでいいんだよ」って思った。センターのポジションを経験したから引っ張っていかないといけないという思いと、私たちお姉さん組が甘やかすから、子どものままでいいのかなという気持ちと、いろいろな葛藤があったのかもしれませんね。

橋本 あとは、2nd写真集『1時間遅れのI love you』の撮影でグアムなど海外の南国リゾートに初めて行ったのが思い出深かったです。

白石 そうだったの?

橋本 うん。白い砂浜のビーチと青くて透明な海を見て「きれいだな」って。北海道出身で寒々しい海しか見てこなかったけど、ここなら水着になってはしゃぎたくなる人の気持ちも分かるかなって思いました。季節は春でしたが(笑)、みんなと夏休み気分を味わえたのも良かったです。日焼け止めは必需品でしたね。

白石 あと日傘も。それでも焼けて水着の跡もしっかりつきました(笑)

慌ただしくも華やいだ夏を駆け抜けた先には、衝撃的な出来事が待ち受けていた。橋本奈々未が初のセンターを務めると同時に、卒業と引退の意向を発表したからだ。ゼロから一緒に乃木坂46を築き上げてきた白石や松村は、橋本の決断をどう受け止めたのだろうか。

白石 最初に聞いたときはびっくりというよりは、卒業後に引退という道を選んだのが、ななみん(橋本)ぽくてかっこいいと思いました。同じ年だから分かるけど、いろいろと考えたうえでの答えだろうなって。初期から一緒に頑張ってきたメンバーがいなくなるのは寂しいけど、ななみんらしいなって。

松村 まいまいはお姉さんだったから自分はまだ先だと感じましたが、ななみんは同い年だからすごくリアルで混乱しましたね(笑)

橋本 そうだったんだ(笑)。『オールナイトニッポン』の生放送で発表したとき、実はすごく落ち着いていました。放送が始まれば緊張するかと思ったけどそれもなくて。結局、最後まで緊張しませんでした。

白石&松村 そうなの!?

橋本 考えていた時間が長かったからかもしれないけど、感情的にならずに自分の思いを言葉にできたかなと。初めてのセンターは、たまたま卒業を発表したタイミングで順番が私に来たのだから、きちんと役割を果たそうと思うだけです。

白石松村 (黙ってうなずく)

初めて知るセンターの重責

橋本 ミュージックビデオの撮影で、初めてセンターの責任を感じました。台風が迫る中、雨に降られてみんながびしょ濡れになり寒い思いをしていたので、「このシーンは雨の中で撮る必要が本当にありますか?」とスタッフさんに聞きました。もしセンターでなければ、寒いけどガマンと思うくらいだったかもしれない。センターとはグループの代表として、周りのメンバーに対してこういう風に感じるんだなと思いました。

松村 音楽番組の収録で一番最初にななみんが映るでしょ。それを見るたびに「あ、ななみんだ」と、びっくりするし悲しいです。「なんか、最後っぽい」って思ってしまって……。

白石橋本 「ぽい」じゃないんだよ(笑)

白石 ななみんはテレビ映りもいいし「美しいなあ」って思って放映を見ています。今後は一緒に画面に映れないと思うと寂しいけれど、それだけ乃木坂46にとって大きな存在だったということ。残りの時間はそんなに多くないけど、ななみんにはセンターを重く受けとめすぎずにいてもらいたいです。

多くを語らずとも、積み重ねてきた濃い日々があるからお互いの思いが痛いほどに分かる。3人の会話からはそんな親密なものを感じた。3期生も本格活動をスタートする2017年の乃木坂46に、彼女たちは何を夢見るのだろう。

白石 何か今までしたことのない、新しいことができたらいいですね。ライブも夏のツアーとクリスマスが定番化してきたけど、違う形を見せることで、まだあまり乃木坂46を知らない方にも興味を持っていただけるきっかけになればいいなと思います。

橋本 デビュー直後は何も分からなかったけど、1期生は5年間の経験を積んで、みんな自分の意見を持つようになったと思います。今後はメンバー発のアイデアをもっと活動に反映させられるようにできたらいいですよね。

松村 3期生が挨拶してくれたときに、今の乃木坂46に憧れて入ってきたんだろうなと強く感じました。2期生のときはそうは思わなかったので、今はもう乃木坂46という形ができつつあるのかなって。3期生は外側から乃木坂46を見てきたし、逆に私たちは内側からしか見ていない。視点が違う者同士、お互いに感じている乃木坂46をぶつけ合えていけたらいいなと思いますね。


白石麻衣 1992年8月20日生まれ、群馬県出身。16年9月公開の映画『闇金ウシジマくん Part3』でヒロインを演じた。専属モデルを務める女性誌『Ray』で16年10月号から3号連続で表紙を飾るなどソロの活動がますます活発に。17年2月に2ndソロ写真集をリリースする。

橋本奈々未 1993年2月20日生まれ、北海道出身。女性誌『CanCam』専属モデル。16年10月にラジオで自ら卒業と芸能界引退を発表。初のセンター曲『サヨナラの意味』は乃木坂46で初めてのミリオンヒットに。17年の自身の誕生日にさいたまスーパーアリーナで卒業コンサートを行う。

松村沙友理 1992年8月27日生まれ、大阪府出身。女性誌『CanCam』専属モデル。16年に伊藤かりんらとともに「さゆりんご軍団」を結成、『ビッグコミックスピリッツ』で表紙を飾った。17年1~5月に開催される体験型アート展「食神さまの不思議なレストラン」でナビゲータを務める。