乃木坂46というアイドルグループにいながら、独自の存在感を放つ1期生の伊藤万理華と2期生の鈴木絢音。「アイドル」という規定の枠組みに捉われず、己の信念に向かって突き進む2人は乃木坂46をより多彩に輝かせている!

アンダーライブ、舞台を乗り越えた2人の距離感は?

――万理華さんと鈴木さんの対談は僕の中では「2016年の忘れ物」なんですよ。16年2月の『乃木坂工事中』でのバレンタイン企画で。

万理華 ずいぶん前の話を掘り出してきて(笑)

――蒸し返しそうかなと(笑)

鈴木 フフフフフ。

万理華 「絢音ちゃんと2人で取材」と聞いた時に、「バレンタイン企画のことだな」とは思ったけど、あの時はけっこう傷ついたんですよ。

――いろんな方が傷ついた企画だったと思います(笑)。1期生が「告白されるだろうな」という2期生に立候補するという企画で、万理華さんは鈴木さんの時に立候補して。接点はないものの「2期生の中で一番注目してる」と発言したんですよね。

万理華 言っちゃいましたね。私なんかがすごく申し訳ない。

鈴木 いやいやいや。

――もちろん万理華さんの発言は本心なんですよね。

万理華 そうです。私、2期生に自ら絡みにいくことは少ないんですけど、絢音のことはかわいいなって(笑)

鈴木 ありがとうございます。

万理華 感情をあまり表に出さないから余計に気になって。

――鈴木さんはどう思いました?

鈴木 素直にうれしかったです。「見てる人はいるから」と言われることはあるけど、メンバーに見てくれてる人がいるんだなって。

――その後、2人の距離が縮まったということは……。

万理華 いや、特に縮まることもなくて。むしろ告白したことで気まずくなってしまった(笑)

鈴木 知らなかったです(笑)

――その後、9月にアンダーライブ中国シリーズがあって、10月の舞台『墓場、女子高校生』でも一緒だったわけですよね。特に舞台の稽古で縮まったのかなと思って。

鈴木 うーん。普通でした(笑)

万理華 普通です(笑)

――普通でしたか(笑)。縮まってる想定で来てしまいました。

万理華 こういう距離感もいいかなって。急に仲睦まじくなる必要もない。ただ、舞台で一緒になって近くで絢音ちゃんを見れたのはよかったです。

鈴木 いやいや、そんな。

万理華 ……変な意味じゃないですよ。(伊藤)純奈のこともそう。

――舞台経験が少ないメンバーのことが気になって。

万理華 そうそう。近くで見たかったんです。

鈴木 私からも見てましたよ。万理華さんは主演だったじゃないですか。しかも、誰も体験していないであろう「死後の世界」をリアルだけどリアルじゃないように演じていて、想像力が豊かな方なんだろうなと思ってました。

万理華 いやー、舞台期間中に言われなかったからうれしい。

鈴木 恥ずかしい……。

――鈴木さんは5月の『じょしらく弐』あたりから「お芝居をしたい」という願望は芽生え始めた感じですか?

鈴木 そうですね。お芝居のことが気になりはじめて。

――『じょしらく』と『墓場、女子高生』ではだいぶ違いがあったと思います。

鈴木 全然違いましたね。いやぁ、厳しい世界でした。

――稽古中に泣きました?

鈴木 かなり泣きました。愛のある厳しさなのは分かるんですけど、人生であんなに厳しい人と出会ったことがなくて。

――万理華さんは?

万理華 いや、私は。

鈴木 泣いてなかった。強かったです。

――万理華さんが座長として舞台の稽古は仕切っていたから、ですか?

万理華 そんなこともないんですよ。私は軸になる役であったけど、8人それぞれに見せ場がある作品だったから座長という形ではなくて。それに、役柄的にも私が演じる日野ちゃんはみんなと一線を置いてたので、私も気持ちから入ろうと思っていたんです。

――万理華さんの演技のよさはもちろん、鈴木さんはだいぶ変わったというか、いいお芝居ができていたと思います。

万理華 うんうんうん。分かります。『じょしらく弐』の時に「絢音がいい」と聞いていたんですけど、一緒に演じたことで「チャンスを掴むべき場で掴んでるな」と感じて。いや、上から目線で言ってるわけじゃないんですけど。

――分かってますよ。

万理華 近くで見ていて「乗り越えてるな」と感じたんですよ。事前にオーディションがあったので8人とも力があったし、そもそもアンダーライブと重なることが分かって舞台に飛びこんだメンバーだから結果を残せたのかなと思います。

鈴木 「お芝居をやりたい」という気持ちがあってオーディションを受けたんですけど、運命的なモノも感じていて「落ちる」とは考えなかったんです。アンダーライブと並行していた分、キツいことは多かったんですけど、吸収することがたくさんある舞台でした。経験できてよかったと思います。

――舞台に最後に残っているのが鈴木さんだったのも印象的で。日野(万理華)と西川(井上)の関係がジモ(鈴木)とビンゼ(新内)にスライドした感覚もありました。

万理華 いいですよね。偶然だと思うけど、最後にまいちゅんと絢音が舞台上に残ってるシーンは、乃木坂46を知ってる人にとってはそれだけで響いたのかなって。

2016年の下半期から絢音の存在が大きくなった

――昨年で言えば真夏の全国ツアーやアンダーライブ中国シリーズがあったわけですけど、ライブにおいて「万理華さんのパフォーマンスは参考になるな」と鈴木さんが思うことはありますか?

鈴木 15年の全国ツアーで万理華さんを見ていたというか、選抜の後ろでアンダーが踊るという時に万理華さんの真後ろだったんですよ。自分も踊りながら万理華さんを見て「自分にはない美しい体の伸びがあるな」と思って参考にさせてもらってます。

万理華 と、記憶を振り絞って言ってくれました(笑)

鈴木 違います、違います(笑)。本当にそう思ってるんです。じゃなきゃ覚えてないので。

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