2017年1月22日、AKB48グループリクエストアワーでNGT48の代表曲『Maxとき315号』が1位に輝いた。メンバーは歓喜し、泣き崩れるものもいた。その中で涙をこらえながら必死にパフォーマンスをするメンバーがいた。 センターの高倉萌香だ。NGT48に加入当初はよく泣き、過剰にネガティブになることも多かった。そんな彼女がステージの上ではなぜここまで力強いのだろうか?

センターの重圧

――まずはやっぱりこの話から始めなくちゃですね……NGT48『Maxとき315号』、リクエストアワー第1位おめでとうございます!

高倉 ありがとうございます!

――あれから2週間ほど経ちましたが、NGT48初のオリジナル曲、しかも自分がセンターを務める曲が1位を獲得したことの率直な感想を聞かせてください。

高倉 まさか1位を獲れるとは思っていなくて……2位の『47の素敵な街へ』(AKB48チーム8)が発表になった瞬間に初めて「『Maxとき315号』が1位なんだ!」って確信できて。もう本当に感動と驚きの気持ちでいっぱいで、周りにいたメンバーと抱き合って喜びました。

――パフォーマンス中は込み上げてくるものをぐっと抑えているような表情をしていましたね。どんなことを考えていましたか?

高倉 NGT48の初めてのオリジナル曲のセンターをやらせていただくことになって、その当時の感情というか、1年前の気持ちが蘇ってくるような感じで「ここまでよくがんばってきたね」って自分で自分を褒めてあげたくなりました。

――リクアワ最終日の夜のSHOWROOMで指原莉乃さんが話していましたが、高倉さんは自分がセンターということでなかなか『Maxとき315号』に自信をもてなかったそうですね。

高倉 最初は「私がセンターの曲なんて認めてもらえないんじゃないか」ってすごく不安で……正直、センターで踊ることがすごく嫌だったんですよ。でも今回1位を獲ったことで気持ちも変わりましたし、またセンターをやってみたいと思えるようになりました。

――リクアワで1位になったことによって、『Maxとき315号』はNGT48にとってさらに重みのある曲になりました。そんな曲でセンターを務めることに対して責任感みたいなものも出てきたのではないかと。

高倉 そうですね。最初は自分のことで精一杯でしたし重圧もすごく感じていたんですけど、1年経ってだいぶ自信も出てきました。

――その1年前に時計を巻き戻してみましょうか。最初にセンターに指名されたときはどんな気持ちでしたか?

高倉 最初は今村さん(今村悦朗 / NGT48劇場支配人)から呼び出されて…きっと怒られるんだと思って。

――フフフフフ。

高倉 でも、行ってみたらぜんぜん違う話で。「センターをやってほしい」って言われたんですけど、実は最初は断ったんです。「無理です」って。

――おー、断ったんですか。

高倉 でも、ぜんぜん自信はなかったんですけど、頑張ってみようということになって。でも壁にぶつかることが多くて、「私なんかがここにいるべきじゃない」って思ったこともありました。

――でも高倉さん、2015年のじゃんけん大会の公式ガイドブックのアンケートで「センターになりたい!」と書いていましたよね?

高倉 あれは本に載るとは思わなくて(笑)。特に目標もなくて、とりあえずなにか書こうと思って軽い気持ちで……。

――そうだったんですね。

高倉 はい。だから「なんでセンターになりたいって言っていたのにそんなに嫌がるの?」ってみんなからよく聞かれたんですけど、それにはそういう理由があったんです。何となく書いてしまったような感じで、特に強いこだわりがあるわけではなくて。

黒いオーラ

――実際センターに立ってみて、自分がイメージしていたものとはどんな違いがありましたか?

高倉 私、もともと前田敦子さんが大好きだったんです。前田さんの映像をたくさん見て「センターってかっこいいな。前田さんじゃないと務まらないんだろうな」ってずっと思っていて。それで実際に自分がセンターに立ってみて、やっぱり簡単なものじゃないんだって思い知らされました。みんな、いろんな思いを抱えながらあの場所に立ってるんだなって。「本当に私はダメなんだな」とも思いましたね。「なんでもっとがんばれなかったんだろう?」って反省しています。

前田さんに対する憧れについては高倉さんが「師匠」と慕っている須藤凛々花さんが以前にGoogle+で書いていましたよね。高倉さんに『前田敦子の軌跡』というドキュメンタリーを勧めたら「もう何度も見てます」って言われたって。特に印象的なシーンがあったら教えてもらえますか?

高倉 前田さん、最初はダンスがぜんぜんできなかったんですよね?

――そうですね。

高倉 でもあんなに上手になって、相当な努力をされたんだろうなって。あと、前田さんが最初センターを嫌がっていた気持ちが……うーん、すごくわかるって言ったらちょっとおこがましいんですけど、私と一緒の気持ちだったんだなって。

――高倉さんはよく「自分には取り柄がない」「いいところがなにもない」って言っているじゃないですか。その姿にデビュー当時の自信なさげな前田さんを重ね合わせてしまうAKB48ファンはきっと多いと思います。

高倉 自分ではそういうふうにはぜんぜん思わないんですけど、周りからはよく言われます。もうそう思われること自体が申し訳ないというか……私はそんな立場じゃないのに、そうやって前田さんと比較されることをプレッシャーに感じてつらい思いをしていた時期もありました。前田さんのことが大好きだし、あまりにも偉大すぎるので。

――高倉さんはNGT48に加入してからいきなり「虫かご」のメンバーに選ばれて、そのあとも『Maxとき315号』でセンター、AKB48の『翼はいらない』でも選抜に入ったりと、側から見る限りではなにもかもがうまくいってるように思えました。それだけに、去年の4月の生誕祭で「NGT48に入らなければよかったと思ったときが何回もあった」「支えてくれる人たちがいたから辞めたいと思っても続けることができた」と苦悩を打ち明けていたのがすごく意外だったんですよね。当時は北川綾巴さんによく相談に乗ってもらっていたそうで。

高倉 はい。綾巴さんは私のことを心配して夜遅いのに電話をいただいたり、すごい長文のメールを送ってくださったりして。

――いちばん強く「辞めたい!」と思ったのはいつごろですか?

高倉 それがほぼ毎日なんですよ(笑)

――毎日ですか!指原さんもSHOWROOMで「萌香はいつも辞めたい辞めたいって言ってる」って笑ってましたけど(笑)

高倉 もちろん続けて良かったと思うこともたくさんあるんですけど、それと同じぐらいつらいと思うこともたくさんあって。人気がぜんぜん追いついていないし結果もまったく残せていないから、いつも「こんな私に未来はあるのかな?」って考えちゃうんです。

――それこそ初期の前田敦子さんじゃないですけと、その不安定さが高倉さん独特の人を惹きつける力になっているというか、確実に魅力として転化されているところはあると思いますけどね。高倉さん、端の方に立っていてもなぜか目がいっちゃうんですよ。

高倉 暗すぎるのかもしれない……黒いオーラみたいなものがあるんですかね?

――そういうことではないと思います(笑)。あちこちで公言していますけど、高倉さんは基本的にネガティブ思考なんですよね。

高倉 はい。気にしすぎたり考えすぎちゃうタイプなんです。

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