一般人と芸能人、本当の自分を守りたい

――あとお二人の共通項としてもうひとつ思うのは、自分の実人生と芸能活動との境界線をすごく明確に引いてるような印象を受けるんです。どちらが良いとか悪いとかではなく、その境界線を曖昧にしてる人もきっと多くいると思うんですよ。たとえば、橋本さんの地元に対する愛着の強さはそういう信念の表れなのではないかという気もしまして。

橋本 うーん……これはひとによると思うし誤解されてしまうかもしれないんですけど、このお仕事をしていると失うものも多いと思ってるんですよ。それはあくまで私の性格上のことなんですけどね。だからなるべく変わらないほうがいいとは思うし、昔はこんなこともできていたのにって感じることも多いから、それは忘れないようにしておきたくて。地元については、将来戻ったときに順応できれば自分は人として間違ってないんだっていうか(笑)

――アハハハハ。

橋本 うん、そう思えるようにしていたいんですよね。ひとつの指標じゃないですけど。

――「失うものが多い」というのはどういうことかもう少し詳しく教えてもらえますか?

橋本 ひとに対する気遣いとか優しさ……わかっているのに優しくできないとか、そこに寄り添ってあげられない自分の気持ちの弱さとか。意地悪な気持ちが生まれやすい環境ではあると思うから、そこに自分が侵食されたくないと思ってるのかもしれない。そういえば、ふだんご飯に行ったり遊びに行ったりする友達はぜんぜん芸能人じゃないですね。そもそも芸能界にあまり友だちがいないし(笑)。プライベートのときは仕事の話をしたくないから、そういった意味では確かにきっちり線を引いてるのかもしれないですね。

――松村さんはいかがですか?

松村 うーん……私はむしろ線引きが下手だと思うんですよね。「これはお仕事だから」みたいに思えなくて。それに性格がすごく地味だから、たぶん私たちはこの派手な世界にはいつまでたってもなれないと思う(笑)。私も本当にそうなんですよ。芸能人の友達はいないし、別に欲しいとも思わないし、地元の子とばかり遊んでるし……やっぱり、アイドルってプライベートも仕事みたいなところがあるじゃないですか。上手く線引きができないからこそ、そこに難しさを感じることはあると思います。

――なるほど。

松村 自分でダメだなって思うのが、ブログに「○○ちゃんと遊びました!」とか「○○に行きました!」みたいなことを全然かけないんですよ。なんか、ブログに書くために遊んでるんじゃないかって思えてきちゃって。プライベートを明かすみたいなのは本当に得意じゃなくて、モバメにもそういうことが書けなかったりするし……なんかこういうお仕事に向いてないのかなって(笑)

――さっき橋本さんが話していてような「守りたいもの」はありますか?

松村 めっちゃあります!(目の前にあった渡辺麻友表紙の雑誌を見て)たとえばまゆゆさんは「アイドル・渡辺麻友」をしっかり守っている方じゃないですか。それでいくと私は「一般人・松村沙友理」を守りたい(笑)。なーちゃん(西野七瀬)が小さい頃からモデルに憧れていたみたいに、私はふつうの生活に対する憧れがすごく強くて。ふつうの女子大生やOLさんに憧れたり……会社に行って自分のデスクがあるのに憧れていたんですよ(笑)

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