――橋本さん、先ほどから頷きまくってますが共感する部分が多いですか?

橋本 はい。ただ、私は昔から憧れって感情を抱いたことがなくて(笑)。だから羨ましいじゃないけど、自分が必死になれるということは、自分が役に立ってると感じられるということだと思っていて。さっきと同じような話になりますけど、自分がいちばん生き生きして必死になれるときって、自分に何かしてあげてるときじゃなくて、人の役に立っていたり人に求められていることが目に見えてわかるときなんだろうなって思ってます。このお仕事をしていると、どうしてもそれが伝わりづらくて。求めてくれているひとに自分がしたことが与えてる影響って、全く自分が知らないところで起こっているわけじゃないですか。だから握手会で「こういうときにこういうことを言ってくれたから頑張れました」みたいに言われるのはすごくうれしいけど、自分の中で全くリアリティが伴ってこないんですよね。でも、バスケ部のマネージャーをやっていたときは本当にたくさん怒られたし厳しい毎日だったけど、そのぶん返ってくる成長が大きくて。自分がやったことで選手にこういう良い影響が出たとか、プラスαを自分の中で実感しやすいんですよね。自分がちゃんと機能してるんだって思えるのがすごく楽しかったから、もしかしたら人のためになる仕事、ダイレクトにひとを支えられる仕事が好きなのかもしれないです。

――おふたりとも乃木坂46での活動に充足感を得ている一方で、「本当にここに自分がいていいのだろうか?」という疑念を持ち続けていると。

松村 そうですね。すごく楽しんではいるんですけど、でも芸能界にいると時間が止まっているような気がして。自分のイメージってあるじゃないですけ。私の場合、さゆりんごとしてずっとここにいるのかなって。5年も経つといろんなことが変わってくるけど、果たしてその変化を受け入れてもらえるのかなとは思いますね。

橋本 自分が思ってる自分が「自分じゃない」って言われることがあるんですよ。「ななみんってこうだよね」っていうイメージがひとり歩きしちゃうんです。あるひとつのことに周りから見た自分のイメージが付け加えられていって、自分が思った通りにやったことが「それはちょっとらしくない」って言われてしまったり。そうすると「あれ?私って本当はそうだったのかな?」って(笑)。どこからが本当の自分の意志でやっていて、どこまでが周りに求められてやっていることなのか、たまにその境界線がわからなくなることはありますね。その積み重ねによって自分が変わっていってしまうのかもしれないとは感じていて。自分の価値観を大切にしたいけど、それが知らず知らずのうちに外からの力で変わっていくこともあるのかもしれない……うーん、難しいです(笑)

初めての敵対心は乃木坂プライドの証

――最後にひとつだけ。おふたりから見て欅坂46の登場と躍進は乃木坂46のグループ内にどんな影響を及ぼしてると思いますか?

松村 欅坂46が出てきたことによって色々考えるメンバーは増えたかも。

橋本 私たちもそういうところがありましたけど、最初だから授かれる恩恵ってあるじゃないですか。だから、向こうの勢いが際立って見えることによって私たちが停滞しているように映ったら、それはちょっと残念ですね。

松村 私はあからさまにはそういうのを出さないようにしてますけど、敵対心みたいなものを刺激されたのは初めてかもしれないです。でもそれは、やっぱり乃木坂46のメンバーのことがめちゃくちゃ好きだからなんです。ひとりひとりのメンバーに尊敬の念があるんですよ。アンダーの子も2期生本当にすごいと思っていて。

――まさに質問の意図はそういうところで、欅坂46の登場が乃木坂46の結束やグループ愛の再確認を促すような作用はあったのか、ちょっと知りたかったんです。

橋本 でも、こういう感情を抱いてるメンバーは私たちだけじゃないと思います。ただ、このふたりはそういうことを普通にしゃべっちゃうだけで(笑)

松村 「この子を応援しよう!」って思ってもらえるようなことを言えないタイプ?

――そんなことはないですよ!まあアイドルの王道からは多少逸れてるかもしれませんけど(笑)

松村 かっこつけたことはいえないですから。

橋本 うん、思ってないことは言えないんだよね。