アイドルにとって最大の武器である「笑顔」を封印することが、「笑顔」をもしのぐ武器を2人に身につけさせたのだろう。有明コロシアム、そして紅白歌合戦での『サイレントマジョリティー』は圧巻だった。なぜ2人は「一番」であることにこだわるのか。その理由に迫る。

お互いのサイマジョを意識し合う

――今回おふたりにインタビューをすることは、実はクリスマスイブから決めていて。

2人 えーっ!

――欅坂46のワンマンライブ初日を観たときに、もちろん皆さん本当に素晴らしかったんですけど、特に今泉さん、鈴本さんにやられてしまって。「この2人がいるから、欅坂46はすごいんだ!」ということを改めて実感して。ライブが終わったあとに「MVPですね」と、いろんな方々と話していたんです。

鈴本 嬉しい……。

今泉 ありがとうございます!

――今泉さんと鈴本さんがこうやって輝いているのって、実はそこに平手友梨奈さんの存在も関係しているのかなと思っていて。平手さんはずっとセンターということでどうしても目立つ存在ですし、実際本当にすごいと思うんです。だからといって、『サイレントマジョリティー』で平手さんの両サイドにいる今泉さんと鈴本さんが手を抜いていたら、平手さんも良く見えない。それは、おふたりが平手さんを引き立てているという意味ではなくて、おふたりのすごいパフォーマンスがさらに平手さんを輝かせているというか、相乗効果で良くなっているんじゃないかと、あのライブで強く感じたんです。

今泉 なるほど。でも平手からも連絡が来て、「『サイレントマジョリティー』で私がセンターで頑張れてるのは、鈴本と今泉が隣にいてくれたおかげ」と言ってくれて。

鈴本 ね。嬉しいね。

――あと、もうひとつあるとしたら、欅坂46のメンバーって皆さん身長が大きいじゃないですか。その中にいると、おふたりが非常に目立つという。

2人 あははは!

――いや、本当にこれは悪い意味じゃないんですよ!一生懸命腕を伸ばして踊る感じに、惹きつけられるんです。存在感が際立つというか。

今泉 私も『サイレントマジョリティー』での美愉ちゃんのダンス、すごく好きで。だから美愉ちゃんのダンスを参考に、私も練習しています。ここがカッコいいから、私も真似してみようとか。

鈴本 私も『サイレントマジョリティー』を踊ってる最中に、一瞬だけ今泉の姿が見えるんですよ。

――どの瞬間ですか?

鈴本 このとき(サビで肘を突き出して回る振り付け)です(笑)

今泉 あはははは。

鈴本 いつも、そこの動きがすごいんですよ、髪の毛がバサッとなって。めっちゃ踏み込んでいるその動きを、私も真似してます。絶対に今泉に負けないようにって(笑)

――お互い平手さんを挟みながら意識しあっているんですね。

今泉 1回、客観的に見てみたいね。

鈴本 見てみたい、自分たちのライブを!

今泉 自分のことをすごいと思っちゃいますかね?(笑)

――絶対にそう思うはずです(笑)。特に大人数のアイドルグループって身長が低いと埋もれてしまいがちですけど、おふたりはスクリーンがなくてもパフォーマンスさえ見ればどこにいるか確認できるんです。自分の身長って気にしたことあります?

鈴本 あんまりないです(笑)

今泉 私はありますね!あともう3センチ大きければ、きっともうちょっと変わってきたなって、美愉ちゃんを見て思います。

鈴本 えーっ?(笑)実際何センチ?

今泉 151ぐらい。

――鈴本さんは156ぐらい?

鈴本 はい。

――そこで周りよりも大きく踊ってやろうとか、そういうことを意識したことありますか?

今泉 いろんな人から見て、一番目に止まるパフォーマンスができたらいいなというのは常に考えています。真似したいなと思ってもらえるように。

鈴本 私はパフォーマンスしてるときって結構何も考えられないというか、無我夢中になってしまうので。でも、ライブで『サイレントマジョリティー』を歌うときは、「僕らは何のために生まれたのか?」とか力強い歌詞があるので、その思いがお客さんにしっかり伝わるように、すごい暴れようというのは決めてます(笑)

――なるほど。曲の世界観を忠実に表現できてるから、観ている我々が惹きつけられるのかもしれませんね。あと、鈴本さんは腕を上げるときとか、体を動かすスピードも速く感じます。

鈴本 でも私、最近体に衰えをすごく感じていて(笑)。だからそう言ってもらえて、すごく嬉しいです。

――それは、昔より動けてないんじゃないかと?

鈴本 そうですね。体力が落ちてるなって思います、自分で。

――むしろ良くなってる印象すらありましたが。

鈴本 えーっ、そんなことないですって(笑)

2人 (感慨にひたる)

――無言になってしまいました(笑)

紅白の舞台裏で平手からの提案

――ちょっとおふたりに聞きたいのですが、『サイレントマジョリティー』は欅坂46を代表する曲で、おふたりにとってもすごく大事な曲だと思うんです。そのおふたりの隣には平手さんがいるわけですが、「自分と平手さん」という関係をどう見てるのかなと。

今泉 関係?普段ですか?

――普段というよりは、パフォーマンスや精神的な点において、平手友梨奈という存在が今泉佑唯にとってどういう存在なのかということです。

今泉 やっぱりパフォーマンスだと、改めて映像を通して見たりレッスンのときに鏡越しに見たりすると、自分でもどこが違うと明確にわかるわけじゃないけど、真似できないのかな、境界線があるのかなと思いますね。頑張って、自分のパフォーマンスで身振り手振りを変えてみても、やっばりどこか足りないなって感じてます。

鈴本 私は、なんだろう……平手は……うーん、難しい……。でも、欅坂46の中でダンスに関しては、私自身が誰にも絶対負けたくなくて。『サイレントマジョリティー』では平手が隣にいて、『世界には愛しかない』『二人セゾン』では周りに他のメンバーがいてっていう中で、みんなにも平手にも負けないようにとは常に思ってますね。

――ダンスで誰にも負けたくないというのは、そこが一番自分を出せる、一番の武器になっているからということなんですか?

鈴本 まだデビューしてないときに、ダンスとボイストレーニングと演技とウォーキングのレッスンが毎日あって。ボイトレも難しくて、ウォーキングもなかなかうまくできないし、演技も恥ずかしかったりして。でもダンスだけは楽しくて、少しずつ自分を出せるようになって自信を持てたので、そこだけでもさらに伸ばしたいなと思ってました。

――3人にパフォーマンスでの優劣の差はないと思うんですよ。だからこそ、この3人の関係はすごく美しいし、平手さんもおふたりを信頼できるんだと思います。有明コロシアムのライブを見てそう感じました。

今泉 嬉しい……。

鈴本 うん……。

――鈴本さんにとっても、平手さんは頼りになる存在ですか?

鈴本 はい。年下なのにすごくしっかりしていて、みんなに声をかけてくれたり、みんなのことを助けてくれたりして、落ち込んでいる子に声をかけたりそばにいてくれたりと、すごく頼りになると思います。

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