山が動いた。絶対的エースである松井珠理奈に代わり、新曲のセンターに抜擢されたのは、長く次世代の期待を背負ってきた北川綾巴――ではなかった。今、SKE48は大きなうねりの中にある。2人の胸中やいかに。

若手たちとのLINE

――本日はSKE48のニューシングル『意外にマンゴー』の取材日ということで、新曲絡みのインタビューが立て続けに行われていると思いますが……。

松井 そういう話じゃないですよね?

――お察しの通りです(笑)。「どんな曲ですか?」とか「振り付けのポイントは?」という質問はではなく、違う角度から攻めさせていただきます。それでも、新曲まわりのことでいうと、今回最大の事件は、センターに小畑優奈さんが初めて立つということだと思います。

松井 SKE48が今まで作り上げてきたものを壊すことはしませんけど、大事なものを守りつつ、新しい風を入れることが必要だなと思っていたので、「時は来た」かなと。

――プロレス用語が飛び出すのが早いです!故橋本真也選手の名言ですね。「破壊なくして創造なし」だと。

松井 そう!あと、私がセンターを防衛できなかったなという。

――2014年12月、綾巴さんと宮前杏実さんのWセンター曲『12月のカンガルー』がありました。

松井 それと、(松井)玲奈ちゃんの『前のめり』がありました。でも、それは卒業シングルだから、実質的には「12月〜』以来ですね。最近は綾巴や(古畑)奈和ちゃん、熊ちゃん(熊崎晴香)が、「珠理奈さんからセンターを奪う」と言ってくれていたので、そういわれると守り続けないといけないって思うじゃないですか。

――自分がチャンピオンであることが前提ですからね。

松井 はい。なので、ちょっと残念だなという気持ちはあります。でも、これからの新しいSKE48を楽しみたいなと思っています。

――ということは、小畑さんのセンターを歓迎している、と?

松井 はい!今だからできることかなって。

――さて、一方の綾巴さんはどう受け止めていますか?

北川 何がですかぁ?

松井 ズコーッ!

――ちゃんと聞いててくださいよ!小畑さんがセンターになったと聞いて、どう思ったかという質問なんですが。

北川 聞いた時ですか?

松井 そう。正直にね。

北川 あー、(私は)なれなかったなーって思いました。今の自分じゃなれないなって、自分で思いました。

――このことについてはかなり考えたんじゃないですか?

北川 考えましたね。AKB48選抜総選挙の速報のこともあったりして、このところいろいろありすぎて。実際、速報でもゆなな(小畑)は綾巴より上でしたから。

――速報は綾巴さん67位、小畑さん42位でした。そこはどうしても比べてしまいますよね。

北川 比べちゃいますね。すぐ人と比べちゃうんです。それはよくないことなんですけど。

松井 でも、綾巴はその気持ちをあんまり見せないからね。そこがちょっとプロレス的には……。

――珠理奈さん、プロレス話に持って行くのが早いです!まぁ、最終的にはそっちに持って行くつもりですけど(笑)

松井 プロレス的にもアイドル的にも、ファン的にも……。

――視点がごちゃごちゃになって、何が何だかわからなくなっていませんか?

松井 フフフ。ファンの方って応援してくれてるわけじゃないですか。応援する側としては、「侮しい」と口にしてくれたほうが燃えるみたいなんですよ。私もそういう悔しさを表に出すことが嫌だったけど、ファンの方は、「ホントのことを言ってほしい」って言ってくださるんです。私も自分の本心を話せるようになってからは、ファンの方との心の距離もぐんと近くなったし、団結できているなって感じることが多いので。今となっては、何も言わなくても私の気持ちをわかってくれて。だから、綾巴のファンの方は綾巴に本心を話してほしいと思っているんじゃないかな。

――ブログなどではその気持ちを伝えていますよね。

北川 はい。昨日のSHOWROOMでも思っていることを全部話しました。

松井 そうなんだ!何て言ったの?

北川 速報での悔しさとか、自分が今までチャンスをいっぱいもらってきたけど、目に見える結果を残せていないこととか。でも、そういうことを正直に話せない自分も嫌だし、以前ならもうひと踏ん張りできるところで、「どうせ私なんか……」って思っちゃうこととか……。最近、ちょっとひねくれてたんですよ。

――ひねくれてた?

北川 反抗期?ひねくれた?スレた?何て言うんですかね?

松井 リーダーなのに?それじゃ困るよ、リーダー!

北川 こじらせている部分があったんです。立ち位置と人気(のギャップ)で。もう私はここまでなのかなっていう、すごいマイナス思考になっていて。それは最初からそうなのかもしれないですけど。最近はそんなことを強く思っちゃうんです。最近っていうか、ここ1年くらいですね。拗ねてました。いじけてました。何て言うんですかね?

松井 一緒や!(笑)

北川 諦めてた?

――理想に現実が追いつかない。

北川 その苛立ちとか、どうしたらいいかわからないっていう気持ちとか。

――どういう自分になりたいという理想像はあるんですか?

北川 うーん……

――悩んだ時は誰に相談するんですか?

北川 しないです……。自分で抱えてしまうかもしれないです。

――相談相手は隣にいるじゃないですか。

北川 それは申し訳なくて。私なんかが珠理奈さんを困らせてしまったら。

松井 困らないよ!

――珠理奈さん、綾巴さんはなかなか前を向いてくれませんよ。

松井 でも、ラブ・クレッシェンドのグループLINEがあって、そこで呼びかけるとみんなから返信があったりするんです。それぞれ思っていることはあるから、私から聞いてあげないとなって思っています。そこで出て来る声ってみんな熱いんです。「私はもっとSKE48をひっぱっていきたいです」とか「私もSKE48が好きなので、もっと力になりたいです」とか。それはすごく嬉しいですね。

ベルトへの挑戦資格

――2月下旬、矢方美紀さんの卒業とともに綾巴さんはチームSの新リーダーに就任しました。心機一転、新たな決意はありますか?

北川 やるしかないと思っています。でも、リーダーになる時期は、ホントにひねくれがピークだったので。だから、リーダーという役割をいただけたということは、「もう一度頑張ってみろよ」って言われているような気がしました。

松井 そう。期待されてるんだよ。

北川 まだチャンスをいただけているんだなと思えたので、もうひと踏ん張りしようって思うようになったきっかけでもありました。

――珠理奈さん、最近S公演に出て、何か感じたことはありましたか?

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