初めてのセンターで、私のなかのすべてが変わりました

2016年は飛躍の1年となった。15thシングル『裸足でSummer』で初のセンターに抜てき。乃木坂46の次世代の顔として「真夏の全国ツアー2016」を先頭で引っ張った齋藤飛鳥。想像していなかった場所で背負った責任とやり遂げた自信が、彼女を大きく成長させた。

2016年を振り返ると、夏のセンターを任されてから「真夏の全国ツアー2016」までが5年間の乃木坂46での日々のなかでも一番大きな経験で、私のなかの考え方も仕事への取り組み方も周囲の見方もすべてが変わりました。最初は、正直に言うと、ネガティブな気持ちしかなかったんです。もともとアイドルになりたくて乃木坂46に入ったわけではないし、センターは予想外すぎました。しかも『裸足でSummer』は夏曲じゃないですか。初めて曲を聴いたとき、これ絶対笑顔で歌う曲だ、とさらにプレッシャーがかかりました。でも、センター発表直後の『乃木坂工事中』の放映を見て、自分の発言はほかのメンバーの気持ちを考えていなかったなと反省しました。バナナマンの設楽さんから温かいメッセージをいただいて、その頃から前向きに受け止めるようになったんです。責任感や覚悟は必要だけど、センターだからって無理して自分を変えることはない。私なりのセンターをやっていこうって。

実際センターに立ってみると、いろいろな発見がありました。私は意外とアイドルスマイルができるんだとか(笑)、こんなに粘り強く物事に取り組めるんだなとか。もともと悩みがあっても人に相談しないタイプなんですが、だから限界も早くて。結構早い段階で泣いて誰かにすがりついちゃうんですよ。でも、今回はセンターだからメンバーには頼れないし、自分で全部解決しようと決めたんです。

神宮球場でのライブの2日目のラストに『裸足でSummer』を歌ったときに見た光景は一生忘れません。ステージがデコレーションケーキみたいになって、そのてっぺんで歌わせてもらったんですけど、雨の中ファンの皆さんが私たちに向かって一斉にタオルを掲げてくれて。その瞬間は感動で鳥肌が立ちました。皆さんの愛が目に見えたというか、こんな光景を10代で見られるなんて、私はなんて幸せなんだろうって。

一番興味があるのは演技

個人としての活動も順調。モデル業では10代女子を中心に絶大な人気を誇り、星野みなみとのW主演のドラマ『少女のみる夢』では霊的存在となった昏睡状態の少女という難役を見事に演じ切った。生まれ持った独特の存在感は女優としての大きな可能性を感じさせる。

『少女のみる夢』は演技経験がほとんどなかったので、何も分からないまま試行錯誤しながらやってました。乃木坂46から離れてのお仕事があまりなかったので、俳優さんとお話しするのはすごく新鮮。同じ芸能界だけどアイドルと俳優は全然違う世界なんだなと実感したんです。俳優さんたちのお仕事への姿勢を見て、アイドルはいろいろなことをやらせてもらえるけれど、どれも中途半端にならないようにしないといけないと思いました。外の世界に触れると自分の中に新しい風が吹いてくるから、こういう経験は大切にしたいです。

実際に放映を見たら粗削りな部分がありすぎて恥ずかしいんですけど、演技自体にはものすごく引かれました。堀未央奈と共演した『あの教室』のミュージックビデオでもちょっとしたお芝居があって、楽しかったです。暗めの女の子の役だったんですけど、あまりにも私にピッタリすぎて(笑)。

ファッションがすごく好きなので、モデルのお仕事も楽しいです。2016年のGirls Awardではファッションプロデュース的なこともやらせていただいたんですけど、私は流行を追うのが苦手なので、自分から「こういうのはどう?」と提案できるのはありがたいですね。夢みたいなことで、こんなに未熟な自分がそういう立場にいるのはまるで現実感がないんですけれど(笑)。

2016年は本当に濃い1年で、いろいろなことを学ばせていただきました。自分のことを多くの方々に知っていただいた1年だったと思うので、2017年はより自分らしさを大事に活動していきたいです。私はファンの皆さんが抱いている私のイメージをまるまる全部は認めてはいないんですけど、自分らしさは自分が決めるものだとも思っていないんです。だから、齋藤飛鳥として求められるものにきちんと応えていきたいと思っています。