それが主題ではないことはわかってはいても、どうしても比べながら見ざるを得ない状況になるであろう、今年の神宮ライブ。しかし、いくら比べられても、寺田蘭世渡辺みり愛は4年分の経験と、アンダーセンターという修羅場をくぐり抜けて手に入れた自信がある。2人の魂の声を聞こう。

人生初の経験

――2人ってどんな関係性なんですか?

寺田 ご飯も行くし、洋服も買いに行くよね?

渡辺 そうだね!

寺田 付き合ってくれるんです。みり愛はフットワーク軽いもんね。

渡辺 そうだね。現場が同じだったりすると、「この後どうしようか」ってなって。蘭世とは2人で行動することが多いかな。

寺田 そんな気がする!

渡辺 大人数を好まないよね、私たち。

寺田 団体行動しない派なので。

――グループアイドルにいますけど(笑)。

寺田 年齢も近いしね。みり愛が1個下でね。

――最近だと、『乃木坂工事中』の企画で氷爆にも登った仲ですし。

寺田 あれを経験したことで、全然違いますね。今までで体力的に一番キツかったです。精神的に辛いことはいっぱいあったけど。特にこの2人は。

渡辺 ふふふふ。

寺田 ホントにキツかったんですよ。皆さんもやってみてくださいよ!

――絶対やりません(笑)。

渡辺 すっかり忘れてました。

――キツすぎたあまり、記憶から抹消しようとしているんですかね。

渡辺 ホントに辛かったです。2017年の総括はアレです。

――総括するのが早いですよ!

寺田 (体力の消耗が)ヤバすぎて、自分がなんで動けてるのかわからなかったです。「私、なんで動けてるんだろう?」みたいな。

――限界を超えちゃって。

寺田 だって、40mですから!何回か経験したことがある人用のコースって聞きました。キツかった〜!人生の経験値としてはかなり上がりましたね。

――でも、経験値としてはみり愛さんのアンダーのセンターというのも相当なものだったんじゃないですか?

渡辺 すごい経験でした!氷爆は体力面ですけど、センターは精神面が鍛えられました。

――前作のアンター期間は、センターとしてどんな気持ちで臨みましたか?

渡辺 なかなか自信を持てないでいましたね。東京体育館のコンサートのギリギリまで。だから、「もっと自信を持ちなさい」ってみんなに言われました。始まる直前まではナイーブでしたね。

――アンダーセンター経験者の寺田さんはいかがでした?

寺田 真ん中にいる人が自信を持たないと、その空気感が伝わっちゃうんです。そういう責任感は守らないとなっていうのはありました。もちろん不安要素は大きいから自信がないことはないんだけど、どうなんでしょうね?第三者的に見ることはできないので。

――経験者として、寺田さんからみり愛さんに伝授したことってありましたか?

渡辺 話したよね。

寺田 そうそう。みり愛は初期から相談してこないんです。最年少なのにしっかりしていたし、大丈夫っていう顔をするから。でも、センターの時だけはどうしようって不安になってて。「蘭世みたいなMCしようかな。どうしようかなー」と言ってきて。

――ちょっとバ力にしてません?

渡辺 してません!

寺田 でも、みり愛は真剣なことを言えないタイプなんです。悩んでいることを素直に言い出せないんだけど、何か思ってはいるんだろうなって感じました。

――でも、どうやって臨むかについては、そりゃあ考えますよね。

渡辺 考えました。

寺田 私が日本武道館のライブでしゃべったことに無理して寄せる必要はないし、みり愛だからこそ出せるものがあるからセンターに選ばれたと思っているので。誰の真似でもなく、みり愛らしくいられればいいなと思っていました。

――ライブのエンディングでのスピーチは、センターだけに与えられた時間ですからね。

渡辺 結果的には、自分が思った通りのことを話せたし、ライブ自体も思った通りにできたので、よかったですね。

――センターになる予感はありました?

渡辺 全然なかったです。センターが似合う、似合わないってあるじゃないですか。私は、あったとしてもその隣かな、と。蘭世がセンターの時、私は2列目のセンターで、後ろから支える形だったんです。そういうふうに支える役割なのかなって思っていたので、センターと知ってビックリしました。

――最終日のエンディングで、「メンバーをうまくまとめられなかった」と言っていましたね。

渡辺 うまくまとまりませんでした。私、ふざけちゃうんですよ。真面目にできなくて。

寺田 恥ずかしがり屋なのかわからないけど、思っていることがあっても照れ隠しみたいな。

渡辺 メンバーにも暗い部分は見せない。そういう性格なんです。

――センターが引っ張らないと、組織はうまく回らないところはありますよね。

渡辺 そういうところを出そうとは思っていたんですけど、うまく引っ張ることができなかったです。

――それは緊張や重圧を感じていたから?

渡辺 はい。それだけすごいことだったんです。その間、蘭世先輩がちょこちょこ連絡をくれて。

寺田 同期だから!

渡辺 へへへ。本番前にもくれたよね?

寺田 あー、そうだった!スケジュールが違ったから、会うタイミングが少なくなっていたんです。私としては、みり愛が言っていた「どうしようかなー」が引っかかっていて。その言葉の裏に何かあるんじゃないかと思って。今まであまり見てもらう場所がなかったところに、今回せっかくチャンスが来たんだから、頑張ってほしかった。でも、みり愛はこういう性格だからがっつりメッセージを送ると考えすぎちゃうかなと思ったので、ゆるめに「頑張れー」って(笑)。

カフェ武道館

――みり愛さんは初日のオープニングから泣いていましたよね。

渡辺 はい(笑)。『overture』が流れた瞬間から涙が止まらなかったんです。リハもいつも通りの感じで、「私は大丈夫ですから」って気張ってたんですけど、本番が近づくにつれて表情がどんどん強張っていって。あわあわしちゃって、『overture』が流れて、自分の顔がモニターに映っているのを見た瞬間、「ヤバい、始まっちゃう!」ってなって。始まることが怖かったんです。

――何に対する怖さだったんですか?

渡辺 ファンの方は、「引っ張らなくていいよ。みんなと同じように進んでいけばいいよから」と言ってくれるけど、自分が前に立って引っ張らないといけないところってあるじゃないですか。その「引っ張らなきゃいけないライブがまさに始まろうとしているんだ!」と思ったんです。そういう怖さでした。

――そんなオープニングだったのが、最終日のラストには、「ライブは成功した」と話していました。

渡辺 成功しましたー!ふふふふ。

寺田 最終日の昼公演を観に行ったんですけど、アンダーライブってこんなにすごいんだって思いました。ダンスも歌もこんなにすごいメンバーの中で私はセンターをやらせてもらっていたのかって。

――みり愛さんについては?

寺田 私もそうだったけど、昇格するのが遅くて、同じ境遇にいたみり愛が真ん中に立っていることが嬉しかったですね。ただ、センターだからどうこうというよりは、それぞれのメンバーについて、「ここがいいな」っていう観方をしていたので、みり愛だけを観ていたわけではありませんでした。

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