アイドルとして

――今日こうやってお話を聞くまで、正直、おふたりはライバルのような関係だと思っていました。

久保 でも、そういう見られ方をされていると思います。

山下 うん。『プリンシパル』以降バチバチ!みたいな(笑)。

久保 ね!ファンの方にも聞かれたことあるよ。「山下ちゃんとどういう関係なの?」って。だから「俺の嫁!」って答えたんですけど(笑)。

――まわりが「ライバル」と言っているだけであって、本人たちにはそんな意識はない?

山下 ライバルっていっ感じでは……。

久保 ないねえ……。

山下 2歳年下なのに同い年みたいな、むしろお姉さんのような感じがする。めっちゃしっかりしてるんですよ。

久保 いや、全然してないよ(笑)。私、やましーのことを尊敬してるんです。

山下 いやいやいや。

久保 本当にプロとしての意識が高いし、ステージに立った時にひときわ輝いていて、どこにいても見つけられるんですよ。それは、やましーにしかない輝きだなって思う。もちろん、生まれた時から持っているオーラもあるかもしれないけど、本人の陰の努力があったからこその輝きだなって思うんですよ。だから、ステージ上で誰よりも輝けるんだな、って。そういう面ですごく尊敬しているんです。

山下 照れる……。

――おふたりはライバル関係ではないかもしれませんが、3期生のなかで一番を目指したいという気持ちはありますか?

久保 「一番になりたい」って考えたことなかったです。むしろ、私が目指す場所は、3期生のなかでの一番じゃなくて、自分のなかでの一番。今の私ってダメダメなんです。「こうなりたい」と思い描いている理想の自分からは、ほど遠くて。今までと同じ生活をしていたら、今の場所からも今の自分からも抜け出せないし、停滞していくだけだなと思います。だから、昨日の自分をつねに越えていくことが目標です。

――誰かと比較することもない?

久保 以前までは、ちょっとの差だけですごく比較してたんですよ。なんであの子はできるのに、私はできないんだろう……って比較ばかりしていて。でも、今はしなくなりました。それがいいことか悪いことかわからないけど、比較する相手が「昨日の自分」だっていうことに気づいたんです。自分を越えられない人間が、他人を越えられるわけがないので、まずは昨日の自分を越えていこう、っていっ考え方に変わりました。

――山下さんは一番になりたい、という気持ちはありますか?

山下 私は目指してないです。自分はあんまり真ん中に立つべき人じゃないって、わかっているので……。主人公タイプではないと思うし。私はセンターとか一番になるより、たとえフォーメーションで一番うしろの列にいたとしても、「山下はうしろにいても存在感があるから大丈夫」って思われるような存在になりたいです。

――なぜそのように思えたのでしょうか?

山下 私、『裸足でSummer』のポジションが一番うしろなんですよ。桃ちゃんと私が一番うしろで、前に10人いるので被ってまったく見えなくて。私のことを観に来てくださったファンの方に、本当に心から申し訳ないと思ったんです。でも、だからといって振りを崩すことはできないので、今ある振り付けで自分らしさをもっと出していこう!と思いました。その結果が……。

――あんなに高くジャンプする人を初めて見ましたよ(笑)。『おいでシャンプー』でスカートをヒラヒラさせる振りも、山下さんだけ異常に激しかったですよね。

山下 あはは。そうなんです、なんか頑張っちゃって(笑)。私、ずっと「プロ意識」っていうものは、ちゃんと仕事を自分でいただいて、その仕事をきっちり成功させることだと思っていたんですよ。

――それがプロフェッショナルだと。

山下 そうなんです。でも、アイドルとしてのプロ意識はそうじゃないなってことに気づいて。どんなポジションでも応援してくださっているファンの方を満足させること、ファンの方をしあわせにできることが、アイドルとしての一番のプロ意識だなと思ったんです。だから、いま応援してて一番楽しいアイドルになりたい、って思うんです。

物語のはじまり

――今日はいろんなお話をうかがいましたが、とりあえず、おふたりの仲かよかったので安心しました。

久保 ふふふ。よかった。

山下 勘違いされるよね?

久保 うん。でも、今日こうやってしゃべってみて、やましーとは考えていることが同じだなぁ、ってあらためて思った。

――前世で会ってた説が!(笑)

久保 やましーが言っていた「ポジションに関係なくどこにいても存在感を出せるような人になりたい」「美月がいれば安心だって思ってもらえる存在になりたい」って、私も思っていたことだったんです。だから、やましーの言葉を聞いて本当にビックリして!

山下 ふふふ。

久保 絶対、前世で会ってるんだよ!

山下 ひさしぶりー。

久保 前世ぶりだね!

山下 でも、私たちの関係性を見ていて「面白い」って思うファンの方もいるじゃないですか。乃木坂46というグループというか、エンターテインメントって、面白いことが第一だと思うんです。だから、このふたりがライバル関係っていうふうに見られているのも、私はすごくいいことだなと思っていて。そのストーリーを面白いって思ってほしいです。

――山下さん、さすがですね!

山下 合ってますか?(笑)

――本当にその通りだと思います。

山下 あはは。でも、台本もないのに、こうやってストーリーができあがっていくのは、すごいことだと思う。

――『プリンシパル』がきっかけで自然と生まれたものですからね。

久保 そうですよね!

山下 本当にドラマみたいですよね。

久保 ドラマみたい!いま考えると、すごいことが起きたんだな……って。

山下 もし『プリンシパル』がなかったら、私たちもこんなに仲良くなってないと思うし。

久保 そうだねえ。

山下 久保ちゃんがいなかったら、「もっと頑張ろう!」って思えなかっただろうし。

久保 ええぇ〜?

山下 意識の持ち方が今と全然違ったと思う。久保ちゃんがいるからこそ、久保ちゃんみたいにもっとストイックにコツコツ積み重ねていかなきゃ、って思える。

久保 でも、それは私も一緒だよ!やましーがいるから、やましーみたいに私ももっとキラキラ輝けるような人になりたい、って刺激をもらえる。

――お互いを高めあえる素敵な関係性ですね。これは間違いなくよろこぶべき出逢いですよ!

久保 ……こんな出逢い、もう一生ないかもしれない!

山下 本当に?

久保 ないよ!誓える!この出逢いはもう一生ない!

山下 たしかに、もし普通に生きていたら、久保ちゃんとは絶対に出逢っていなかったじゃないですか。宮城県と東京で、年齢も違うし。それが今、こうやって乃木坂46の3期生として同じタイミングで入ることができて、本当によかったなと思っています。


久保史緒里 2001年7月14日生まれ宮城県出身。ネガティブ思考だが舞台に立つと一変する、変幻自在のカメレオンアイドル。中村麗乃いわく、1日5食も食べているが、細すぎて見失ってしまうらしい。本人は腕の筋肉がほぼないのでつけたいとのこと。愛称は「くぼちゃん」。

山下美月 1999年7月26日生まれ、東京都出身。蚊にも好かれる美しさを持つ、月面ビューティー。先日ブログで、ズボンにマジックを入れたまま選択しスイカ柄の最先端ファッッションを生み出したことを告白。ファンとファッション業界に激震が走った愛称は「づっきー」。