守屋茜は何事に対しても真摯に向き合い、全力で立ち向かうイメージがある。それは間違っていないのだが、もっと注意深く彼女を見てみると、我々が思っている以上に繊細な素顔が浮かびがってくる。「負ける」ことが嫌いな彼女が、この世界で「勝つ」ために見出した、自分の武器とは何なのだろう。

ファンに誓う自分のモットー

――副キャプテンに就任してから約5ヶ月が経過しました。まずはグループをまとめる立場についてみての率直な感想を聞かせてください。

守屋 いままではどちらかというと、そういう立場になるのを避けてきたところがあるんですよ。みんなを正しい方向に導いたり、自分がちゃんとしなくちゃいけなかったり……うーん、難しいですよね。

――副キャプテンという役職ならではの難しさもありますよね。キャプテンに比べて、役割が暖昧なところがあるといいますか。

守屋 そうですね。キャプテンの(菅井)友香はメンバーに対してそんなにあれこれと言うようなタイプではないから、きっとそういうところは求められているんだろうというのはわかってるつもりなんですけど……実は私も案外言えないタイプなんです(笑)。

――ズバッと言いそうなイメージがありますけどね。

守屋 わかってはいるんですけどね。でも、実行に移すのはやっぱり難しいです。

――キャプテン制度の導入によって、なにかグループにポジティブな変化はありますか?

守屋 もともとその場その場で気がついたメンバーが言うようなところがあったから、そんなに変わってはいないんですけど……あ、でもポジティブな変化ということでは、友香がいろいろとやりやすくなったんじゃないかなって思います。友香は前から任されることが多かったけど、正式にキャプテンに任命されていたわけではなかったから「ここは自分が言ってもいいのかな?」って戸惑うこともあったと思うんですよ。そういった部分では、いまはなにかとやりやすくなったかもしれませんね。

――守屋さん自身は副キャプテンになったことによる意識の変化はありますか?

守屋 「自分のことをまずはしっかりやろう!」って考えだけではダメなんだって思うようになりました(笑)。自分のことだけじゃなくて、周りのこともちゃんと見ないとメンバーの細かな変化に気がつかないので。メンバーのことをもっと知りたいって思うようになりましたね。

――これまで人をまとめるような役を避けてきたということですが、5ヶ月ほど副キャプテンを務めてみて自分の副キャプテンとしての資質についてはどのように感じていますか?

守屋 うーん、そんなにないと思います。だから、いままでの自分を無理に変えようとは思わないですね。まだ5ヶ月しか経っていないし、なにか副キャプテンらしいことができたのかもわからない感じです。そこは引き続き模索中なんですけど、自分がやるべきことを見つけられたらいいですね。役職を与えられたことによって、人間的にも強くなりたいと思います。

――キャプテン/副キャプテンの発表時には菅井さんと「3つの誓い」を宣言しましたよね。「チームワーク抜群のグループ」、「いい意味で変わらないグループ」、そして「ひとりひとりが輝けるグループ」。1番目と2番目は長期的な目標という印象を受けますが、3番目に関してはすぐにでも取り組める課題という気もします。この点については現状どのに見ていますか?

守屋 うん、徐々に表れてきてると思います。まだ個人での仕事がそんなに多いわけではないですけど、メンバーそれぞれがやりたいことや秀でていることを見つけて将来につなげていけるといいですよね。

――守屋さん自身はいかがでしょう?

守屋 まずは自分ができることとして、いただいているお仕事を精一杯やっていけたらと思っていて。まだ自分にとってなにがいちばん向いているかがわからないから、できることはとりあえずぜんぶやってみたいですね。いろんなお仕事を頂けているから、いまはそれにチャレンジしながらなにが向いているのかを考える時間なのかなって。

――そういうなかで守屋さんが「これだけは負けたくない!」と思っているものはなんでしょう?

守屋 ひとつひとつのお仕事に対する気持ちですかね。それだけは絶対に負けたくない。ぜんぶ大切だし、せっかくいただいたお仕事なんだから、ちゃんとやり遂げたいっていつも思っています。

――守屋さんはグループの活動当初からブログや握手会も工夫して取り組んでいた印象があって。

守屋 えーっ、本当ですか?

――だからいまお話していたようなことはすごく合点がいくというか、説得力がありますよ。

守屋 無駄にしちゃいけないって気持ちが強いんですよ。せっかく時間を頂いているんだったら、やっぱり良い方向にもっていきたいじゃないですか。

――そういった考えは欅坂46に入る前からもっていたものなんでしょうか?

守屋 いや、やっぱり欅坂46に入ってからですね。私は最初からいろんなメディアに出られたわけではないし、出たくても出られない気持ちも感じていたので、そういうところでは絶対に甘えたくないです。

――そんな守屋さんは「ファンに対してこうありたい」というポリシーみたいなものはありますか?

守屋 応援してくださってる以上は絶対に後悔させません、というのが自分のモットーですね。うん、後悔はさせたくないって思います。

気づけば熱血キャラに、鬼軍曹は是か非か

――変なことを聞くようですが、グループに入る前に思い描いていた理想と、入ったあとに思い知らされた現実とのギャップみたいなものってありました?

守屋 あー、こんなに大変なお仕事なんだなって思いました。こんなにいろんなことをやるんだなって……うん、心も体も忙しい(笑)。いろいろ考えなくちゃいけないし、普通に社会人としてお仕事って大変なんだなって学びました。でも、基本的には楽しいです。もともと東京に来たかったから、最初は「うおー、憧れの東京だ!」みたいな感じだったんですよ。でもいまは仕事を頂けることがいかに大切で楽しいかってことに気づかされて。なかなかメディアに呼ばれなかったころに急速出させてもらえることになったときがあって、それがものすごくうれしかったんですよ。そういう気持ちはずっと忘れたくないですね。

――謙虚なんですね。

守屋 「仕事がなくなったらどうしよう!」っていつも思ってます。

――常に危機感と背中合わせで活動していると。

守屋 いっつも危機感です!欅坂46に入ってから一度も安心したことがない(笑)。

――おなじみの鬼軍曹イメージからするとちょっと意外にも思えますが……そもそも「鬼軍曹」と呼ばれることについてはどう思ってますか?

守屋 フフフフフ……無感情です。

――無感情ですか(笑)。

守屋 呼んでもらってぜんぜんかまわないです(笑)。別にイヤでもなく、かといってうれしいかというとそういうわけでもなく……そういったひとつのキャラとして私に興味をもってくださるのであればありがたいなっていう。

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