性格的に合っている、減らしていく美学

――長漬さんは小さい頃、すでに華道の経験があったそうですね。

長濱 そうなんです。母が昔、お花を習っていて、私も4、5歳のときに一緒に通ってました。今でもそのお花の先生とは仲良くさせていただいているし、そういう意味でも華道にはすごく思い入れがあるんです。高校の文化祭で華道部の展示を見て入部したいなと思ったんですけど、入る前に廃部になってしまって。だから今日はずっと興味を持っていたことが体験できてすごく楽しかったです!

――日常生活でも常に周りには花があったんでしょうか?

長濱 実家にはお花がたくさん植えてあって、おばあちゃんがガーデニングをしていました。でも、東京ってあまりお花を見かけないですよね。だから、長崎からサボテンを持ってきてお家で育てていて。あと、お花で季節を感じることも多いので、道端で見かけたときはよく写真を撮ってます。

――確かに東京で生活していると、季節を感じる花って桜ぐらいしかないし。

長濱 本当にそうなんです。長崎では金木犀と桔梗とか水仙とか至るところに咲いていたので、東京ではなかなか見かけないなと思いました。

――東京に来てから、どういうところで季節を感じますか?

長濱 空気ですね。朝起きて窓を開けたときに冬は冷たくて、夏はジメっとしていて。あと入道雲とか見たりすると夏だなぁって感じます。あ、でも今日はお花で夏を感じました。お花があるだけで、涼しげですよね。

――確かに。ちなみに好きな花は?

長濱 かすみ草です。でも最近は青色のお花にも興味があって。かすみ草の花言葉は何でしたっけ?

――かすみ草の花言葉は「清らかな心、無邪気、親切、幸福」だそうです。

長濱 素敵!一時期、花言葉を調べることにすごくハマって、小説や映画の中でふいに送られた花や机に乗ってる花が、実は裏切りを意味していたり、そういうのが面白いなと思ったんです。

――なるほど。改めて華道のお話を。今日の長濱さんを見て、花や器選び含めて華道って本当にセンスが問われるものだなと思いました。選ぶ時点でイメージが見えてるんですか?

長濱 いえ、まったく。私はすごい優柔不断で、想像しちゃうと迷っちゃうから、ただ自分が好きなものを選びました。

――あとはやりながら考えていったと。にしても、思い切りが良かったですね。

長濱 いやいやいや。私、実は結構男っぽいんですよ(笑)。先生が「華道は減らしていく美学」とおっしゃってましたけど、どんどん洗練していって、最後に残ったもので美しさを出すというのが素敵だと思いました。私自身、部屋も最低限のものしか置かないようにしていて、あんまりゴチャゴチャするのが好きじゃなので、性格的に合ってるのかもしれないですね(笑)。

――集中力もすごいですよね。

長濱 いえいえ、全然ないんですよ。

――本当ですか?先生が「ひとつ作るのにものすごい集中力を使う」と言ってましたけど、それを今日は3つ立て続けでしたから、本当にすごいなと思いましたよ。

長濱 確かにエネルギーは使いました。でも、ずっと続けてられるくらい楽しかったです!

――先生が「うちの教室にぜひ通ってほしい」と言ってましたよ。

長濱 ええっ、やりたいです!趣昧として続けたい!

――どこが一番楽しかったですか?

長濱 自分の頭の中にあるものを形づくるのが好きで。お花とかインテリアとか、自分が想像した白分にしかわからないものを形として表現することって、普段あまりないから楽しいんです。試行錯誤して「これだ!」って思う瞬間にときめくというか。あと、お花だけに集中しているので雑念がなくなるし、気分転換に向いてますよね。

――そういうお話を聞くと、長濱さんって芸術家肌かもしれないですね。

長濱 いやいやいや(笑)。でも、この連載ではどんどんいろんなことに挑戦できて、本当に楽しいんです。握手会の話題になることも多くて、茶道をやったあとも「自分も茶道してるんだよ」っていう方が来てくれて、そういう方と共通の話題もできるから嬉しいです。