最新シングルではメンバーのポジション変更が行われた。変わった者、変わらなかった者、それぞれが抱く葛藤や意識の変化を語る。

『世界には愛しかない』のフロントと2列目で存在感を示している4人。「清楚」「おとなしい」という印象からスタートした欅坂46だが、4月のデビュー曲『サイレントマジョリティー』出みせたのは、凛々しい表情から繰り出されるビシっとそろったダンスだった。

小林 『サイレントマジョリティー』を最初に聴いたときは、カッコよくて表現力を求められる曲に感じたので、それまでの自分たちのままではできないな って。

今泉 デビュー曲が『サイレントマジョリティー』だったことが、自分にとってはうれしかったです。ただ、自分が歌いやすい音域ではなくて苦戦しました。どうしてもクールになりきれずに、「みんなの声になじんでないな」って思ってしまうんです。

鈴本 振り入れの最初にTAKAHIROさんから「『サイレントマジョリティー』の振り付けには、こういうメッセージがあって」と説明していただいたことで、メンバーのなかでイメージが統一できました。

志田 TAKAHIROさんのおかげで、クールな表情が作りやすくなりましたね。

小林 ミュージックビデオの撮影以上に苦戦したのは歌番組です。自分がどう映っているのかわからないんですよ。AKB48さんや乃木坂46さんは、カメラに抜かれた瞬間にウィンクしたり最高のスマイルを見せるじゃないですか。それってすごい難しいことなんだと実感しました。

志田 でも、今の欅坂46にはカメラに抜かれてもウィンクするような曲がないよね(笑)

スピードの速さに戸惑い

今泉 友だちが『サイレントマジョリティー』を踊った動画を送ってくれて、広がっているんだな、って驚きました。反響が大きいことはありがたいけど、少しずつ坂を登っていきたいと思っていたので、正直、気持ちがついていけてない部分もありますね。

小林 番組やイベントで共演したアーティストの方が「『サイレントマジョリティー』、良い曲だね」と言ってくださった時は「いろんな方が聴いてくださっているんだな」とは思いました。一歩ずつ課題をクリアしていければと思っていたけど、デビューしてすぐの階段で多くの舞台に立たせてもらうようになって。あまりのスピードの速さに、何を目標にすればいいのか見失いそうになるときもあるけど、足元を見つめながら自分の力を上げていくしかないと思っています。

欅坂46メンバー総出演のドラマ『徳山大五郎を誰が殺したか?』は2ヶ月の撮影期間だったが、その前にさらに2ヶ月かけてワークショップを重ねていた。

今泉 ワークショップは最初は優しい雰囲気だったんですけど、撮影が近づくにつれて厳しくなって。その時期が一番つらかったです。特に「無人島に取り残されていて、船が見えた時のお芝居」を即興で演じるのは大変でした。

小林 その時はあかねん(守谷茜)が先陣を切って恥ずかしさを捨てて演じきってくれたことで、他のメンバーも殻を破ることができたんです。本番では短いセリフの掛け合いが多くて、監督さんに「他の人のセリフを聞いて、テンポよく反応するように」と指摘されました。

鈴本 ワークショップの時からずっと苦しかったけど、最終回にあたる第11話の撮影中にようやく楽しめるようになったんです。極度の人見知りでスタッフの方と打ち解けられなかったけど、ようやく話せるようになったと思ったらクランクアップだったので、後悔もあります。

 ワークショップの最初のころは「なんでこんなことやらなきゃいけないの」と思ってたけど、段々と演じることの楽しさが分かってきました。ただ、撮影でずっと窓のない建物の中にいるのがつらくて。次にドラマの機会があれば外での撮影もしたいですね。

次のページへ